ライフ

ジュエリーの新素材として注目 小惑星の名を宿す貴金属

 1803年イギリスの科学者ウィリアム・H・ウラストンにより、白金混合物から分離・発見された貴金属は、前年に発見された太陽系小惑星「Pallas」(パラス)にちなんで、「パラジウム」と名付けられた。

 人気の高いプラチナと同じプラチナ族で、白色貴金属のひとつだが、これまでは電子・電気等の工業利用や、宝飾用・歯科用の合金として使用されてきた。それは自然の状態でも純度が高く、分子構造が安定し、酸化しにくい一方、物理特性からジュエリー加工することが難しかったため。

 しかし同じ容積でプラチナより軽い特性があり、硬度の高さから変形しにくいなど、ジュエリー素材としてニーズの高まる要素はあった。そして近年、研究や加工技術が進んだことにより、パラジウムをメインとしたジュエリーが作られるようになる。

 2011年2月にはイギリスの人気デザイナー、ヴィヴィアン・ウェストウッドがパラジウムを使ったジュエリーコレクション「Get a Life」をロンドン・ファッションウィークで発表(3月よりロンドン・ロサンゼルスで販売。日本展開未定)。

 また米国宝石協会の宝石デザインコンペ「スペクトラム・アワード」でも、2012年よりパラジウム部門が創設されるなど、欧米を中心に人気が高まっている。

 希少性の高い貴金属ながら、現在は価格も手頃。日本では、一部の大手百貨店やブライダルリングのブランドなど取り扱い店舗は限られるが、今後ジュエリー素材として国内でも注目を集めそうだ。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン