ライフ

孫正義氏 ジョブズはiPhone開発後「おもらしするぞ」と語った

1月12日に発売される『あんぽん 孫正義伝』(小学館刊)。著者の佐野眞一氏は、同書のなかで、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏と孫氏の関係についても言及している。以下、同書からの抜粋だ。(文中敬称略)

* * *
孫は自分より二歳年上のスティーブ・ジョブズの死を飛行機の中で知った。孫はそのときの驚きと悲しみを次のように語っている。

「本当に涙があふれてしかたなかった。彼の姿勢を見ていると、仕事のためとかお金のためとか、そういうにおいはいささかも感じさせなかった。スティーブからは事業の成功というより、一回限りの人生で何をなしたか、何をなそうとして精一杯生きたかということの方がはるかに大切だということを学んだ」

孫がジョブズとじっくり話すようになったのは、ジョブズが一度アップルを追われ、再びアップルに戻ってこようというときだった。

孫はそのときのジョブズの印象を「まだ心の傷は癒えていない状態で、目はらんらんと燃えていたが、心は満身創痍みたいな感じだった」と回想している。

「心は満身創痍」。この表現は同じITの第一世代として戦い抜いてきた“戦友”でなければ言えない台詞である。

こんな思い出も語っている。

「以前から親しくしている米オラクル創業者のラリー・エリソンさんから、こんな話を聞いた。

アップルが倒産しそうだ。自分は社外役員になったけど、アップルを復活させる方法はたった一つしかない。あの天才を呼び戻すことだ。そう役員会で机を叩いたんだ。

そのとき、ラリー・エリソンの自宅で、スティーブと三人で満開の桜を見ながら話し込んだ。それ以来、スティーブと急速に親しくなり、お互いの自宅を行き来するようになった。

初めてiPhoneを手にしたときは鳥肌が立ちました。それまで携帯電話に本物のOSが入ったことはなく、ユーザーインターフェースも革新的でした。スティーブはiPhone開発後に『とにかくすごいぞ。パンツにおもらしするぞ。他社は少なくとも五年追いつけない』と断言していました。その言葉どおりでした。たった一機種の端末が世界の携帯電話メーカーを震撼させたのです」

(『あんぽん 孫正義伝』より抜粋)

関連キーワード

関連記事

トピックス

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
武蔵野陵を参拝された佳子さま(2025年5月、東京・八王子市。撮影/JMPA)
《ブラジルご訪問を前に》佳子さまが武蔵野陵をグレードレスでご参拝 「旅立ち」や「節目」に寄り添ってきた一着をお召しに 
NEWSポストセブン
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
オンラインカジノの件で書類送検されたオコエ瑠偉(左/時事通信フォト)と増田大輝
《巨人オンラインカジノ問題》オコエ瑠偉は二軍転落で増田大輝は一軍帯同…巨人OB広岡達朗氏は憤り「厳しい処分にしてもらいたかった。チーム事情など関係ない」
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン