ライフ

3人の介護経験もつ西川きよし妻・ヘレンさん 介護を語る

夫婦は長年連れ添う間に、さまざまな困難に直面する。“おしどり夫婦”として知られる西川きよし(65)・ヘレン(65)夫妻には、介護の苦労があった。2001年にはヘレンの母が、2003年にはきよしの父が亡くなり、現在、ヘレンはきよしの母の介護を続けている。

* * *
きよし:姉が3人いても、9割おまえが介護してくれた。だから、ぼくは、“ヘレンばっかりに任せておいたらあかん”って、兄姉にもはっきりいうたんです。

ヘレン:そうじゃないんです。任せてもらってやれることだってあるのよ。

きよし:そんな、おまえ、看護師さんやないんやで。

ヘレン:介護している人には、介護の手助けも必要なんですけれども、そのはけ口を聞いてくださるかたがいちばん大事なんです。聞き手がなければ、私もここまで来られなかったと思います。ここ(のど元に手を当て)までたまっているものを、口から出してしまったら、普通なら大変なことになりますけれども、それをお姉さんたちが聞いてくれて、おさまっていった。本当に赤裸々に話しました。それを全部聞いてくださったし、手伝ってくださいましたよ。

きよし:しかし、3人は大変やったなあ。

ヘレン:そやけど、3人のうちのひとりは私の母。しかも、私が嫁いだ先に寄せてもろうてるんですからね。それなのに、西川の家族は実の親子のようにしてくださって、だから私も母も構えることなく、甘えていました。あなただって、母のおむつを替えてくれた。

きよし:おまえが、うちの両親によくしてくれるから、ぼくらも自然とできたことや。そんな姿を見てるから、3人の子供たち、ふたりの嫁も、家にいればよく看てくれる。それにまだ小さいけど、いまは孫たちが、よくおふくろと遊んでくれている。

ヘレン:昔の言葉で“仕える”いうたら、えらいおかしいですけれども、隠し事はしない、自分の家族だと思う、そんな気持ちで毎日いてたことがお互いいい循環になっていたんだと思います。それから、何か問題が起こったときは、あなたがきちんと話を聞いてくれた。

きよし:そうや。ぼくはいうたら、いまの裁判員制度の裁判員や。みんなの話を聞いて、おまえのお母さんでも、親父でも間違ったことや無理をいっていたら、“それは間違いや”って、はっきりいうた。

ヘレン:何かあればすぐに電話しましたね。あとで思えば仕事中でもかまわずに(笑い)。

きよし:それでもちゃんと電話に出たやろ。大家族でうまく暮らすには必要なことやったと思う。

※女性セブン2012年1月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン