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大前研一氏「日本変えるには独裁者と言われるリーダー必要」

 橋下徹大阪市長が唱える「大阪都構想」――その原点は、経営コンサルタントの大前研一氏がかつて立ち上げた「平成維新の会」の政策にある。大阪の統治・行政システムを1から作り直そうという壮大な橋下構想には、太いバックボーンがあるのだ。維新の会の“生みの親”である大前氏が、橋下政治の本質を説く。
     
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 私は、今から20年ほど前の1992年に「平成維新の会」を立ち上げ、我々の政策に賛同した108名の候補者を93年の総選挙で推薦して83名の代議士を誕生させた。だが、いくら選挙で一大旋風を巻き起こしても、誰も現実に政策を実行できなかった。個々の議員ではなく政党がそれを拒否したからである。

 そこで、私は「新・薩長連合」と題して知事連盟による平成維新を目指し、自ら95年の東京都知事選挙に出馬した。しかし、あえなく落選し、以来、政治の世界から足を洗って今日に至っている。

 その意味では、橋下市長が目指す“維新”は、中央集権を打破する最後のチャンスとなるかもしれない。

 橋下市長を「独裁者」「ハシズム」と批判する向きもある。だが、あえて言いたい。閉塞しきった日本を変えるためには独裁者と言われるほどの力を持ったリーダーが必要なのだ。スピードを変えることは民主的にできるが、方向を変えることは独裁者にしかできないからである。

 戦国時代に天下統一を目指した織田信長も、戦後日本を作り変えたマッカーサーも、独裁者だった。日本の近代化を大胆に進めた明治天皇は絶対君主であった。今の日本の閉塞状態を変えるためには「独裁者・橋下徹」の突破力と破壊力が、なんとしても必要なのである。2012年が「新・戦国時代」の幕開けとなることを願ってやまない。

※SAPIO2012年2月22日号

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