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内田樹氏 女性と付き合う時は「ボーっとしているのが一番」

 加藤茶をはじめとした60代半ばを過ぎた芸能人が、かなり年の離れた若い女性と結婚する例が昨年来多く見られるが、これは還暦が始まりにすぎないことを教えてくれる。

 現在、『呪いの時代』などがベストセラー中の神戸女学院大名誉教授・内田樹氏には、知的で紳士的な語り口から、女性ファンが数多い。1989年に離婚し、男手一つで一人娘を育ててきた内田氏は3年前に20歳年下の元教え子と結婚した。当代一の人気思想家が“オーバー60”のモテ道を説く。

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 蓼食う虫も好き好きといいますか、世の中には色々な女性がいますから、どんな男もソコソコはモテるはず。ところが、テレビや雑誌で「ちょいワル親父はモテる」といった特集をするから、蓼食う虫うんぬんではなくなって、「こうしなければならない」という“定型”にハマり込んでしまう。

 60過ぎてモテるには正味の部分を見てもらう必要がある。カッコつけたりできるのは若い頃だけですから。私? もちろん「俺は俺だい!」って思っています。

 妻は私が大学に着任した年の教え子です。当時、私のすぐそばに住んでいたんです。ベビーシッターを頼んでいたら紹介されてやってきたのが彼女でした。「あれ、君は私の授業をとっている子じゃないの?」「先生の家の近所に住んでいるんです」と。

 そこから仲良くなっていった。彼女は能楽師なので、ある時期に師匠の内弟子になった。365日、その道に打ち込むことになりますから、男と付き合うどころじゃない。

 結局、内弟子時代の10年間は待ちました。修行が終わり、いよいよ独立できることになり師匠と一緒に私のところに来た。その時師匠が「随分待たせたけど、ついては貰ってくれないか」と、お許しがでたんですよ。年が離れているといっても、ぼくは基本的におばさんタイプの人間。女性と喋るのは苦にならないんです。どんな話題でも「へぇ~、そうなの」って聞く。

 女性とお付き合いする時に気をつけなければならないのは「お前のことはよくわかった」と勘違いしないことでしょうね。「何考えているのかわからないなァ」って、ボーとしているのが一番。ロビン・ダンバーという心理学者は、「私の頭脳をもってしても理解できないにちがいない」と受け入れている方がいいと書いている。

「女なんてこんなものだ」と決めてかかると脳は縮小する。そういうのはサルに近く、人間はサル化しちゃいかんのです。「わからないなァ」って困ったり、悶々として不安でいる方が脳の機能は活性化するんだそうです。「そして僕は途方に暮れる」というのがいいんですよ(笑い)。

※週刊ポスト2012年3月2日号

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