ライフ

注目の散骨 ヘリでまく空中葬やロケットに遺骨のせる宇宙葬も

 3月は、最もお墓への意識が高まり、墓地や墓石が売れる春のお彼岸の季節。いま注目されている“自然葬”や人気の分骨法“手元供養”って一体どんなものなのか? NPO法人ライフデザイン研究所・副理事長・佐々木悦子さんが説明してくれた。

【樹木葬:約10万円~】
 最期は自然に還りたいと考える人に人気の埋葬法は、墓石の代わりに桜やバラの樹などを墓標とする“樹木葬”。

「自然葬のひとつで、法律に基づき、墓地として許可された場所に遺骨を直接埋めるのが一般的。宗旨や宗派はほとんど問われない埋葬法です。承継者のいない夫婦や独身者などの間で関心が高まっています」(佐々木さん)。

 チェックポイントしては「価格も形態も多種多様。とにかく現地を見て、1.場所(山中or花壇)2.墓標(個別に植樹or1本の木がシンボル)3.木の種類4.埋葬法(埋めるorまく)を確認することが大切。樹木は枯れることも考えておいて」(佐々木さん)

【散骨:約5万円~】
 海や山などに遺骨をまく、自然葬の1スタイル。「法務省の見解では、節度を持って行えば遺骨遺棄罪に当たらないとされていますが、自治体によっては条例で禁止している所もあるため、必ず役所への確認が必要です」(佐々木さん)。

 自然や他人の迷惑を配慮した場所を選ぶことがマナー。専門の会社に依頼して、トラブル回避を。

 チェックポイントとしては「遺骨を粉骨することが"散骨"の条件です。一般的に、葬儀社や火葬場では粉骨しないため、事前に相談を。"散骨"の費用に、粉骨分が含まれている会社もあります」(佐々木さん)。

 散骨場所も多岐に渡るので、生前に、家族に意思を託しておくのが正解! 次のような散骨があるという。

海洋葬―船から海に骨をまく方法。遺族だけで見送る個別葬や、複数の遺族が同じ船から散骨する合同散骨など、形態はさまざま。

空中葬――ヘリコプターやセスナ機で、上空から海洋などに散骨する。

宇宙葬――ロケットに遺骨をのせて宇宙へ行くタイプは、地球軌道を周回後、ロケットごと燃え尽きる。

散骨樹木葬――自治体と土地の所有者に許可を得て散骨し、墓石の代わりに、個人的に樹木を植える。

【手元供養:約5千円~】
「分骨とは、遺骨を分けて2か所以上の場所に分けて納めること。分骨すると、故人が成仏できないという説もありますが、個人の判断でOK。最近は、故人を身近に感じていたいと、指輪やペンダントなどアクセサリーとして残す人が増えています。分骨を行うときには、葬儀社へあらかじめ分骨したい旨を伝えましょう」(佐々木さん)

 チェックポイントとしては、分骨したいと思っても、一度お墓に入れてしまうと、遺骨を取り出すために、墓地の管理者が発行する"分骨証明書"が必要に。

「火葬後に分骨用の骨壺(有料)と火葬場からの"分骨証明書"を発行してもらいましょう」(佐々木さん)

※女性セブン2012年3月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン