訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
プロ通算113勝を挙げているジャンボこと尾崎将司さんがS状結腸がんのため12月23日に死去した。78歳だった。
70歳を超えてから設立したNPO法人『ジャンボ・スポーツ・ソリューション』の活動のひとつとして、プロゴルファーを目指すジュニア選手に練習環境と指導者を提供しようとスタートしたのが『ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー』だった。
毎年2月、千葉市内のジャンボの自宅兼ジャンボ軍団の専用練習場では『アカデミー』のセレクションが開催され、2019年の『ダンロップフェニックス』が最後の試合となったジャンボの近況を知る年1回の貴重な機会となっていた。
2024年は第7回セレクション直前の1月24日にジャンボが喜寿(77歳)の誕生日を迎え、尾崎健夫、尾崎直道の兄弟はじめ、ジャンボ軍団や門下生たちがお祝いに集まった。門下生の佐久間朱莉が自身のインスタに原英莉花、小林夢果と一緒に『JUMBO77』と書かれた特大ケーキの前でのジャンボとの4ショットを公開して話題になっていた。
2月のセレクション後の囲み取材でジャンボは、
「気分は悪くないよ。孫みたいなもんだからね。みんな一生懸命頑張っている。見ていて楽しい。オレは頑張っている姿を見るのが好きなんだ。だからテレテレしているような奴は怒鳴り散らすんだよ。今の時代ではすぐに訴えられそうだけどね」
とご機嫌だったが、2025年のセレクションには発熱のため欠場。ジャンボ軍団の尾崎健夫、尾崎直道、飯合肇、金子柱憲の4人が助っ人審査員として登場した。長男の尾崎智春氏の発表では「約1年前の診断後、本人の強い意志により自宅療養を続けてまいりました」としており、この前後の検査でS状結腸がんが見つかったとみられている。
最後の公の場となった2024年のセレクションでは、敷地内の移動は短い距離でもゴルフ用カートを使い、少し腰が曲がったような印象はあったが、顔色もよくジャンボ節は健在だった。
セレクション後の囲み取材で、ジャンボは自身の近況について、
「体調? オレのことはいいんだよ。オレの人生はほとんど終わっているんだから。ただ終わるまでにいいものを見てみたいというのもあるよな。うちの女の子が頑張っているところを、最後に見れるというのもいいよね」
と人生最後に見たい景色をジャンボらしい表現で語っていたが、佐久間朱莉が今季の日本女子ツアーで初の年間女王に輝き、米ツアーでは西郷真央が初優勝を飾り、原英莉花が来季のレギュラーツアーへの参戦キップを手にしている。
