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笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」

訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)

訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)

 プロ通算113勝を挙げているジャンボこと尾崎将司さんがS状結腸がんのため12月23日に死去した。78歳だった。

 ツアーから撤退後はジュニアゴルファーの育成に力を入れ、70歳を超えてから『ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー』を開設。門下生が次々と活躍するようになった。

 今季はアカデミー開設前に入門していた0期生の佐久間朱莉が国内ツアーで年間女王になり、米ツアーでは1期生の西郷真央が『シェブロン選手権』で初優勝を飾った。

 これまでもジャンボを師事して門を叩いた笹生優花は全米女子オープンを2度も制している。女子一番弟子で人気プロの原英莉花は過酷な米女子下部ツアーで結果を残し、来季のレギュラーツアー昇格を決めている。

 名選手でありながら名指導者でもあるジャンボだが、2018年にNPO法人を設立当初、ジュニアの育成について「難しく考える必要がない」として、こう語っていた。

「基本をしっかり教えてあげること。技術的なことは徐々に学べば問題はない。成長期であるジュニアの体を考慮し、その誤差を見分けてやることが重要。早く上手くさせようと、期待しすぎて周囲が過度な期待をかける環境は負担になる。ゴルフをスポーツとして捉え、明るく楽しめる環境をつくり、必要な練習を的確にプランニングしてあげることだろうな。ただスポーツである以上、成長するもしないも本人の感性次第だけどね」

 ジャンボ軍団専用練習場は、千葉市内の1万坪の敷地に285ヤードのドライビングレンジ、パッティンググリーン、アプローチグリーン、練習用バンカー、食堂や簡易宿泊施設があるクラブハウスに加え、18Hのショートコースまである。

 アカデミーはプロゴルファーと同じ環境で練習できるように練習場と指導者をジュニアに提供しようというものだが、成長するために不可欠な感性を見抜くためのセレクションが毎年2月に行われる。ジャンボはセレクションの取材公開日に門下生やジュニアの育成について口を開いてきた。

 2020年の第3回セレクションではこう語っていた。

「うちは子供が来たら下半身強化から始める。タイヤを引っ張り、ダッシュを繰り返す。午前中は基礎体力造りだな。ゴルフはスコアをよくするだけじゃない。一番大切なのは基礎になる体力と基礎練習の反復で、ただ球を打ったところでうまくいかない。いろんな方面から自分を攻めていなかとダメだ」

 受験者の多くがゴルフ練習以外のトレーニングをしていないことを嘆いていた。

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