芸能

山口美江さん 芸能界引退後は「何十倍もの充実感」味わった

 9日、「元祖バイリンギャル」と呼ばれた元タレントの山口美江さんが心不全のため亡くなったことが分かった。51歳だった。山口さんは『CNNヘッドライン』(テレビ朝日系)といった報道番組から、『タモリのボキャブラ天国』(フジテレビ系)などのお笑い番組にも出演するなど幅広く活躍したが、1995年以降芸能活動は事実上停止していた。彼女は何を考え、芸能界から身を引いたのか。以下、2001年に行われた山口さんのインタビュー内容だ。(週刊ポスト2001年5月18日号より)

 * * *
 私が事実上、芸能界を引退して、もう6年になります。最近は年に数回テレビに出てますけど、決して復帰したわけじゃないんです。都合のいい話かもしれませんが、あくまで、私が横浜中華街でやっている輸入雑貨店の宣伝のため。

「もったいないよ、もう一度芸能界でやったら?」とすすめてくれる人もいますけど、もう、絶対イヤですね。

 芸能界には非常識きわまりないハイエナのような男たちがうようよいる。本当、信じられないですよ。エジキになっている若い女性タレントは枚挙にいとまがないくらい。彼らの仮面の奥の「本当の顔」には虫酸が走るくらいでした。

 私は16歳から24歳まで父親の同級生の息子と付き合っていました。その後は男性経験がないわけじゃないんですけど、真剣にお付き合いした男性っていないんです。芸能界にいた時も「遊びでいいんだよ、フランクに付き合えば」とかいわれましたけど、たとえ、潔癖症といわれようとも、そういう付き合い方は嫌なんですよね。

 とにかく、男の人でも女の人でも、礼をわきまえ、きちんとしてる人じゃないと「許せない!」って思っちゃうんです。そりゃ、私自身も結構、ズバズバ発言したりして、他人を嫌な思いにさせたこともあると思います。

 ですが、礼儀だけはきちんとしていたつもりです。ところが、芸能界ってそんな普通のことができない人が多すぎる。女性タレントだって、非常識な人が多い。大御所といわれる方だって同じ。特にお母さん役をやらせれば日本一といわれた大女優のAさんには驚きました。

 以前、たけしさんの番組で、Aさんとご一緒したことがありました。Aさん、たけしさんの質問には答えても、私の問いかけには一切無視。30分間無視され続けました。番組スタッフは慌てちゃって、編集にもすごく苦労したようです。Aさん、テレビ画面ではすごく優しそうなのに、裏表がある。私が格下のタレントだからと見下したのかもしれません。

 ワイドショーのご意見番的存在として人気のBさんも、サバサバしたイメージで好印象を持ってたんですけど、去年、特番で会い「初めまして、山口です!」って挨拶したら、一瞥しただけで完全に無視。

 そのくせ、収録が始まると、とたんにニッコリですから。二重人格としかいいようがありません。ある意味、裏表がないと通用しないのかもしれないんですけどね。

 もちろん、芸能界にもいい方や真面目な方もいっぱいいます。ですが、私にはそういう方たちより人間的に許せない人たちの方が周囲に多かった。激やせだ、激太りだ、あげくに自殺未遂だなんてデタラメなことまでいわれて、あまりのことにバカらしくて芸能界を引退したわけですけど、芸能界で唯一学んだことといえば、唯一、お金も男も、量より質だっていうこと。

 今はささやかな収入だし、男性にチヤホヤされることもないですけど、芸能界にいた時の何十倍もの充実感を味わっています。ええ、あんな芸能界には死んでも戻りません。

関連記事

トピックス

(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン