もうすぐプロ野球の新シーズンが開始するが、BS・CS放送「J SPORTS」が、毎年11月~翌年2月のオフシーズンに放送する『ガンバレ日本プロ野球!?』は、「ガンプロ」「ガンバレ」などといった略称で親しまれている人気番組。普段は見られないような選手の素顔、そして本音を聞けるとあって、プロ野球ファンの間でも人気が高い。
メインMCを務めるのは、金村義明氏(元近鉄、中日、西武)と大塚光二氏(元西武)の2人。金村氏が関西弁の軽妙なトークで場を盛り上げれば、大塚氏が予期せぬ天然ボケで爆笑を誘う。二人が同番組について語り合う。
金村:しかし光ちゃんとキャンプに行くと、毎年のように事件ばっかり起こるよな。1年目は「大塚行方不明事件」。
大塚:インタビューが初めてやから何を聞いていいかわからんので、不安と緊張でお腹が痛くなる。で、すぐにトイレ行くんですよ(笑い)。今でこそ選手の取材時間をセッティングしてもらえるようになったけど、当時は行き当たりバッタリのいつ始まるかわからないゲリラ取材で、いざ始まる時に「大塚がいない!」って怒られてましたね。
金村:それだけやないって。警察に捜索願を出す寸前になったこともあったよ。ロッテキャンプのために鹿児島で待ち合わせてたけど、宮崎から列車で来るはずの大塚が待てど暮らせど来ない。奥さんに電話しても「わからん」っていうし、スタッフに聞いても皆知らない。携帯は鳴るけど出ない。半日間、音信不通やで。
大塚:(照れながら)その節はご心配をおかけしました。
金村:で、夕方5時に次の目的地に向かう車にやっと連絡が来た。何があったのか聞いたら、宮崎のホテルのベッドと壁の隙間に布団ごと落ちて挟まり、その状態で夕方まで寝ていたと。オレは山に入って首をくくったか、青島海岸で工作員に拉致されたかのどっちかやと思ってた。
大塚:あのね、言い訳じゃないですけど、ガンバレは番組中でも収録後でもとにかく飲むでしょ。ロケはカメラマンがカメラを抱えながら酒を作るし、夜は毎晩宴会で、翌朝はグラウンドに誰よりも早く到着してずっと立ちっ放しやから……。
金村:それを言い訳いうねん。
大塚:すいません(笑い)。
※週刊ポスト2012年3月23日号