国内

「日米関係も景気もこれ程悪くなったことない」と麻生太郎氏

 民主党政権の体たらくは、自民党時代よりひどいといわざるを得ない。第90代、第92代の内閣総理大臣をつとめた安倍晋三、麻生太郎の両氏は、「今の民主党は政権党の体をなしていない」と怒り心頭だ。政治ジャーナリストの藤本順一氏が司会を務めた対談で経済のかじ取りと国家経営について二人は語り合った。

 * * *
麻生:経済用語で「合成の誤謬」というんだけど、例えば麻生太郎が酒をやめた、葉巻もやめた、ゴルフもやめた、選挙をやめたっていえば、それはオレの身体は喜ぶし、うちのカミさんも喜ぶよ。だけど1億2700万人が「せーの」で酒をやめたら、間違いなく飲み屋は全部つぶれて、ホステスも芸者もみんな失業して、街じゅう失業者だらけですよ(笑い)。だから諮問会議には民間人も入り、学者も入り、日銀も入り、政府側の人間も入ってやっていくわけだ。

安倍:そこで議論をすることで、日本としての目標を一致させていくことができるんです。ところが民主党はマクロ経済も考えずに、仕分けでバッサバッサと切っていっただけ。フランス革命が血を求めたように、血を流すことに喜びを見つけて、それが手段なのか目的なのかがわからなくなっていったのでしょう。

麻生:民主党は統治する側、権力側に立ったのなら、その自覚をもたなきゃいけない。権力っていうものは、おずおず、こわごわと使うもんですよ。いきなり刀を抜いてバッサリっていうやり方はいただけない。

安倍:民主党の人たちは、国家対市民、企業対消費者、経営者対労働者という対立型で世の中を考える。そして自分たちは常に要求したりクレームをつける側に立つ。しかし国家は経営しなければいけないんです。

麻生:それで結局うまくいかないから、諮問会議(国家戦略会議)も次官会議も復活させて、内閣法制局長官の国会答弁も要らないといっていたのに復活させた。それを見て「民主党は自民党化してる、全然違いがないじゃねえか」なんてマスコミはいうけど、俺にいわせれば全然違う。例えば、少なくとも自民党政権時代に日米関係がこんなに悪くなったことは1回もないよ。これほど景気が悪くなったこともない。

※週刊ポスト2012年3月30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン