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百度ほか「新興国スター銘柄」は米国市場でしか投資できない

 いま投資先として注目度が高まっているのが米国市場。世界を代表する企業に投資できるうえ、上場銘柄数は1万4000を超える。その中でも特に注目度が高いのが、新興国の「スター銘柄」だ。新興国投資のカリスマとして知られるグローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が解説する。

 * * *
 世界人口は今や70億人に達し、その4割を占める新興国を中心に今後も伸びることが予想されている。そして、その国の1人当たりGDPが3000ドルを超えると1万ドルまで高成長が続く傾向が強い。たとえば中国は2012年3月現在4400ドルとその真っ只中にあり、他国も追随するなかでは、やはり新興国の台頭は外せないテーマとなる。

 実は、それら新興国のなかでもITやバイオといった先進企業は、より高い評価を求め、自国ではなく、米国市場に上場するケースが増えている。

 その筆頭が、「中国のグーグル」といわれる百度(バイドゥ=BIDU)だろう。中国で圧倒的なシェアを持つ検索最大手だが、中国本土や香港市場ではなく、2005年にナスダックに上場。米国でしか買えない中国株の代表格であり、株価はここ3年で10倍以上になっている。今後も中国のインターネット人口が年間数千万人単位で伸びていくことを考えると、成長余地は大きく、さらなる株価上昇が期待できるだろう。

 中国のIT企業といえば、5年で株価が40倍になった騰訊控股(テンセント=香港上場)が有名だが、「明日のテンセント」と目されているのが奇虎(Qihoo=QIHU)。中国のセキュリティソフト最大手で、同社もまたネット人口の拡大による成長が望める。さらには、動画共有サイトを運営し「中国のYouTube」といえる優酷網(YOKU)なども注目しておきたい。

 一方、他の新興国では、ブラジルやアルゼンチン、メキシコなどで電子商取引サイトを運営し、いずれもトップシェアを誇るメルカド・リブレ(MELI)は「南米の楽天」といったところ。こちらは南米のネット市場の拡大で今後も大きな伸びが見込めるに違いない。

 あるいは、「インドの一休」ともいうべきオンライン旅行代理店最大手のメイクマイトリップ(MMYT)、「ロシアのグーグル」といわれる同国の検索最大手・ヤンデックス(YNDX)なども有望だ。

 これら新興国の「スター銘柄」はいずれも本国では上場しておらず、米国市場でしか狙うことができないのである。

※マネーポスト2012年春号

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