国内

木嶋佳苗と麻原彰晃 「騙し方がよく似ている」と作家が指摘

 連続不審死事件で約100日に及ぶ法廷劇の末に、死刑判決をいい渡された木嶋佳苗被告(37才)。

 ベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』(徳間書店刊)などの著書がある作家の真梨幸子さんは、若いころにキャッチセールスに騙された経験からこう語る。  「あまりにも自信満々で嘘をつかれると、人は弱い。催眠状態になり、洗脳されてしまう。そしていったん騙されると後戻りができない。私の場合も、明らかに詐欺だと思いながらも、親には『これはすごい化粧品なんだよ』と正当化してしまった。体面を気にして、自分は被害者だと認めたくないんです。

 木嶋被告の被害者たちも、途中で“騙されている”と感じながらも、“彼女は素晴らしい女性なんだ”と自己正当化し、ハマっていったのではないでしょうか」

 2009年8月に死亡した大出嘉之さん(享年41)の母親の法廷での証言によれば、大出さんは木嶋被告について、

「彼女は太っててね。美人は3日で飽きるけどブスは慣れるし、まあいっか」

 などと語っていたという。真梨さんによれば、それは大出さんのプライドが高い証拠で、プライドが高い人ほど、自分が騙されていることに気がつきにくいという。

「まさか自分が騙されているとは思わないので、止めようとする家族や友人のほうを“バカなやつだ”と思うようになってしまうんです。

 オウム真理教事件を引き起こした麻原彰晃(松本智津夫死刑囚)も容姿が良いとはいい難く、いっていることは荒唐無稽。にもかかわらず、信者には一流大学出身の若者が多く、つまり頭のいいエリートまで騙されました。木嶋被告と麻原彰晃は、騙す相手の選び方や騙し方がよく似ています」(真梨さん)

 さらに真梨さんは、木嶋被告の居直り方は、万引で捕まった主婦によく似ているとも話す。

「過去に、万引している主婦を何度か見たことがありますが、みんな“置いてあるものをとって何が悪い”と堂々としているんです。木嶋被告のように脳内で“完全な自分”が完結しているから、正々堂々とやってしまう。万引も“万引じゃない”となってしまうんでしょう」

※女性セブン2012年4月26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン