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人見知り 遺伝性が大きく関係し誰もが持つものと脳科学者

 フジテレビ系のバラエティー番組『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が「人見知り」について説明する。以下は澤口氏の解説だ。

 * * *
 新しい年度がスタートし、学生も社会人も初めて会う人とコミュニケーションをとらなくてはならない機会が増える時期です。「私、人見知りだから…」と、尻込みする人も多いと思うので、今週は、「人見知り」について説明してみたいと思います。

 最初に、「人見知り」は遺伝性が大きく関係していることを知ってください。多かれ少なかれ、誰しもが持っているものなのです。

 赤ちゃんの多くは、生後8か月ごろから人見知りをします。それは他人を識別する能力が育ち、見知らぬ人を「敵」とみなしてしまうせいです。さらに、相手が信頼できるかどうかを識別できるようになるのもこのころです。つまり人間は、「人見知り」を通して、相手を信頼できるかそうでないかを区別しつつ、社会性を伸ばしてゆくわけです。

 人間は、危険なものを怖がる・避けるという、進化のうえで重要な性質を遺伝的に持っています。例えば、ヘビやクモには毒があって危険だということを知らなくても、人間は幼児期からそれらを怖がります。

 それは、他の動物が火を怖がるのと同じで、危険な対象を怖がるという性質が進化的に有利なため、遺伝的に残ってきたと考えられます。逆に、ヘビやクモを怖がらないで触ってしまうような性質は進化的に(生存上)不利なので(毒で死ぬ可能性や病気になる可能性があるため)、遺伝的に残らないわけです。脳レベルでは、扁桃体にヘビ嫌悪ニューロンやクモ嫌悪ニューロンが存在します。

※女性セブン2012年5月3日号

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