国内

古事記 「エンターテインメント小説のよう」と古事記学会理事

 今年編纂1300年を迎える古事記。ゆかりの地・出雲(島根県)などではイベントなどで盛り上がりを見せています。そこで古事記ブームに乗り遅れないためにも、10分でわかる知っておくべきポイントをギュッと凝縮しました! そして、主な登場人物から、あなたを心理分析。古事記も自分もわかっちゃう!!

 古事記のキモ。上中下、全3巻で構成される古事記は、上巻で神話の時代である神代、中・下巻で天皇を中心とした説話と系譜が描かれているが、今回は神代の時代を中心に、これさえ押さえておけば“古事記”が語れる部分をまとめた。イザナキやイザナミ、アマテラスにスサノオ、誰もが一度は聞いたことのある名前。これらの神々が登場する日本最古の歴史書が『古事記』。

 そもそも誰がなんの目的で書いたものなのか? 古事記学会理事の多田元さんはこう説明する。

「もともと企画をしたのは天武天皇です。“これまでの書物には歴史上の誤りが多いため、いま正しいものにしておかないといけない”と稗田阿礼に読み習うことを命じました。しかし、その途中で天武天皇が崩御されたため、その遺志を引き継ぎ、元明天皇が太安万侶に編纂を命じました。古事記を要約すると“天皇はアマテラスの子孫であるため、国を支配する資格を持つ”といっています。つまり、天皇の存在意義を保証するための書物なんです」

 人物相関図と物語を調べてみると、神々が複雑に交差している。“やっぱり難しそう”と身構えてしまうが、稲羽の素兎やヤマタノオロチなど児童文学に残るようなわかりやすい話も多い。

「基本的にフィクションですが、すべてが作り話というわけではありません。日常からかけ離れた話のなかに史実が組み込まれています。エンターテインメント小説のように味わえます」(多田さん)

 古事記をコミックにした『五月女ケイ子のレッツ!!古事記』(講談社)の著者、五月女ケイ子さんはこう話す。

「神様のお話といっても、出てくる神様はドジだったり、かわいげがあったりでつっこみどころ満載です。イザナキとイザナミが国を生むのですが、最初は失敗しちゃうというのもおもしろい。ヤマタノオロチを退治して正義の味方っぽいイメージのスサノオも、あんなにやんちゃだったなんて驚きました。また、アメノウズメという女の神様がいるのですが、特徴は“ただ者じゃない顔”。一体どんな顔なんでしょう(笑い)」

※女性セブン2012年5月10・17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン