夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(55歳)が生保勤務の奥様(57歳)。ご主人は“円周率”博士です。
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3.1415926……と延々と続く円周率。スーパーコンピュータの記録は1兆2411億桁、日本人暗記記録は原口さんという男性で、10万桁を達成したそうです。
主人は小学生の頃から100桁以上スラスラで、会社の面接の時も得意気に披露したそうなんですが、面接官に「そんなものを覚えて何のメリットがあるの?」といわれて以来、人前で円周率のことはおくびにも出さなかったんです。
そんな主人の“寝た子を起こす”発言を、嫁いだ娘がやってしまったんです。出産予定日が今年の3月で、「私、円周率に因んで3月14日に出産するわ」「いいね! それじゃ、女の子が生まれたら、3.14の次の15に因み、名前は和子(15)にしよう」。
俄然張り切って出産を心待ちにしていた主人ですが、出産は前日の3月13日で、女ではなく男の子。
「なんで1日遅らせられないんだよ」
「そんなの無理よ」
「股を押さえて我慢しろ、この親不孝者が!」
アナタ、やめてよ! もう、円周率は禁止!!
※週刊ポスト2012年5月18日号