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G馬場の麻雀 「テンパイ非常に早くほぼ負けナシ」と徳光和夫

 日本を代表するプロレスラー・ジャイアント馬場さん。多くの人から愛されたキャラクターとして知られるが、生前の馬場さんと深い親交があったのが元日本テレビアナウンサー・徳光和夫氏。馬場さんの巡業スケジュールに合わせて全国を飛び回った徳光氏が、馬場さんの素顔を紹介する。

 * * *
 巡業先での馬場さんは、カンちゃん(アントニオ猪木)と違ってあまり出歩かなかったですね。旅館では私も麻雀が好きだから、よく卓を囲みましたよ。当時は電動なんかないから自分で牌を積むんだけど、普通は両手で6牌ずつ積んで、真ん中に5牌残りますよね。それで計17牌になる。でも、馬場さんは手が大きいから1牌しか残らない(笑)。

 勝負のスタイルとしては、普通は少しでも手を高くしてから上がろうとするじゃないですか。でも、馬場さんはひと役分、安くなってもいいから上がろうとするので、テンパイが早いんですよ。7牌ぐらい切ったところで、もうテンパイと思わなきゃいけない。ほとんど負けることのない麻雀でしたね。

 馬場さんは写真もよく撮ってました。それをもとに絵を描くわけです。馬場さんは風景画の中に動きがある絵が好きだと仰ってました。風になびく雲とか、風に揺れる稲穂とか。特に海の波しぶきがお好きでした。さすが、高校時代に美術部に所属していただけあって、いい絵を描かれていましたね。

 あと、民謡もお好きでした。たしかヨーロッパに行かれるときに、『刈干切唄』の尺八だけの演奏と、鎌田英一さんや原田直之さんの歌を1本のテープに編集するぐらいでしたから。「これ、みんな刈干切唄。飛行機で聴くんだよ」と。そんな細かい作業も、細い筆で波しぶきをひとつひとつ描く馬場さんなら、きっとご自分でやられたんだろう、と思いましたね。

取材・文■市瀬英俊

※DVD付きマガジン『ジャイアント馬場 甦る16文キック』第2巻(小学館)より

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