ビジネス

活況のインドネシア経済 さらに伸びる可能性あり投資に魅力

 世界の株式市場には、素晴らしいポテンシャルを秘めた魅力的な銘柄が多数存在するが、そのなかでも注目したいのが、インドネシア株だ。海外投資のカリスマ、グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が解説する。

 * * *
 ここにきて中国の経済成長が鈍化するなか、代わって台頭しているのが東南アジア。なかでもインドネシア経済は活況に沸いている。

 そもそもインドネシアは、鉄鉱石や原油などの天然資源が豊富なうえ、人口は米国に次ぐ世界第4位と豊富な労働力もあり、資源国としても「世界の工場」としても期待が高まっている。資源や食糧も自給できるため、新興国にありがちなインフレにもなりにくいことが大きな魅力といえる。

 2004年の政権交代以来、政治基盤の安定が進み、格付けも投資適格級に引き上げられ、投資環境にも安心感が広がる。また、内需は1人当たりGDPが3000ドルを超えてから1万ドルに向かう過程で加速する傾向が強いが、インドネシアはようやく3000ドルを超えたところで、まさにこれから内需を中心に大きく伸びる可能性が高まっているのだ。

 このようなインドネシアに日本から投資する手段としては、投資信託やETF(上場投資信託)が販売されており、経済全体の成長に沿った上昇が期待できるだろう。ただし、本気で資産10倍増を目指すのであれば、やはり個別銘柄に注目しておきたい。

 実際、全世界の銘柄から成長性、収益性などで「株価10倍」を目指せる銘柄をスクリーニングした結果、インドネシアの銘柄はいくつも浮上している。

 たとえば、携帯電話向けの通信設備を手がけるサラナ・メナラ(TOWR)や生産量が拡大している石炭会社のリソース・アラム・インドネシア(KKGI)、不動産ディベロッパーのアラム・ステラ・リアル(ASRI)、日立建機系列のヘキシンド・アディペルカ(HEXA)などは内需の成長に伴って大幅な株価上昇が望めるだろう。また、一風変わったところでは、国内最大にして唯一ともいえるパン製造企業のロティ(ROTI)が生産容量を急拡大させ、要注目だ。

 現在、インドネシアの個別株は楽天証券やアイザワ証券などで取引できるようになっているが、取扱銘柄は限られている。残念ながら、ここに挙げた銘柄はほぼ売買できない(ASRIのみ楽天証券で取引可能)のが現状だが、楽天証券では銘柄の拡充を進めるほか、SBI証券でも4月下旬に取引を開始するなど、順次拡大される見通しである。

 投資する機会が増えようとするなか、ぜひインドネシア株にも目を向けておきたいところだ。

※マネーポスト2012年夏号

関連キーワード

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン