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西成新区長 区長室オープン化計画に「危険極まりない」の声

「大阪都構想」に邁進する橋下徹・大阪市長がその“手足”となる24人の新区長を決めた。公募で選ばれた24区長のうち、民間から登用されたのは18人。上は60歳、下は27歳。前職は元市長から週刊誌記者まで様々だ。中でも注目の西成区の新区長を直撃した。

 臣永(とみなが)正廣氏は、週刊朝日などの記者から故郷の徳島・那賀川町長(現阿南市)に転身した経歴の持ち主。

「西成区は山一抗争の取材で来ました。飛び込みで組長の家を直撃しました」

 橋下市長の直轄構想もあったように、区政運営の困難さが指摘される西成区だが、臣永氏は楽観的だ。

「任命された区長ですから、私には“区民と市長に仕える”という責任がある。完全なヨソ者ですので、まずは区長室を1階のオープンスペースに移して、区民の方と気軽に話ができるようにするつもりです。那賀川町でも同じやり方でした。お茶でも飲みながら区民の方々の声に耳を傾けたい」

 もっともこの計画について西成区役所の職員に聞いたところ、「とんでもない。そんなことをしたら危険極まりない」と血相を変えた。生活保護の支給日に、区庁舎の1階が受給者の怒号飛び交う“戦場”となるのはよく知られた光景だ。仮赴任の7月中に、新区長はもっと西成区を知る努力が必要かもしれない。

 生活保護受給者が4人に1人という西成区は、周辺区との合併が最も難航すると見られている。

「町長を務めた那賀川町が(阿南市との)合併後に地域のアイデンティティを喪失していることを思うと、金持ち区との合併が必ずしも西成のためになるとはいえない。今後の検討課題です」

※週刊ポスト2012年7月13日号

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