ライフ

すり鉢とすりこぎで上手にゴマをする極意 88才料理研究家伝授

 ごまをするすり鉢とすりこぎ。どの家庭にもあるわけではないだろうが、“登紀子ばぁば”こと料理研究家の鈴木登紀子さん(88才)は、料理道具の中でも登場回数が多く、大切に使っているという。そんな鈴木さんが、ごまをする極意を教えてくれた。

 * * *
 白和えのためのお豆腐、ごまよごしのための黒ごま、ごま和えの白ごま…。もちろん、炒りごまもすりごまも市販されていますし、電動のごますり器もありますから、なぜ、面倒なことをわざわざ手で? と思われるかもしれません。

 でもね、ごまをゆるりとていねいに油が出るまですって、ねっとりしたところをいただくおいしさ、香りたかさは、すり鉢とすりこぎでなければ望めないことなの。昔はおみそも必ずすり鉢ですって、お出汁の中に濾し入れたものです。それがいまでは、お出汁入りのおみそや、はたまたお湯に溶くだけというものもあって、便利といえば便利な世の中になりました。

 しかしその分、私たちの食文化が、手間ひまかけた滋味深い味わいから、どんどん遠のいているような気がします。インスタントでしかみそ汁の味を知らない子供たちが親になったとき、いったい食卓に何を並べるのでしょうか。

 あら、ちょっとお話が逸れてしまいました。

 ここで、久しぶりにすり鉢でごまをすってみよう、もしくは、すり鉢とすりこぎを買おうと思ってくださったかたへ、上手に使いこなすコツを教えましょう。

 まず、すり鉢の下にきつく絞った布巾を敷いて、すり鉢が動かないように安定させます。子供にしっかり押さえてもらってもよいですね。昔もそれは、子供の役目でしたから。

 次に、体をちょっと斜に構えます。すり鉢に正面から相対すると、動きがとりにくいからです。斜に構え、すりこぎをなるべく寝かすようにして中ほどを片手で握り、もう片方の手を軽くその上に添えます。

 そうして、リズミカルにていねいに、ゴリゴリ、スリスリと、小気味よい前奏曲を存分にお楽しみくださいませ。

※女性セブン2012年7月26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン