ライフ

「投稿写真見てちっぽけな自分の人生省みるべし」とリリー氏

 Hな写真を投稿する雑誌は脈々として存在するが、最近はSNSなどの普及により、気軽にネットでもH写真を投稿できるようになった。そんな時代到来だが、人気作家、イラストレーターのリリー・フランキー氏もかつて各種投稿雑誌で、投稿批評のコラムを続けていた。投稿写真の楽しみ方について説く。

 * * *
 10代の終わりから20代にかけて、素人投稿雑誌を貪るように読んでいた僕は、いつしか『ニャン2倶楽部Z』をはじめ投稿雑誌のほとんどで連載を持つようになっていました。
 
 投稿雑誌の魅力というのは、登場人物たちが、凡人には真似できないぐらい人生を楽しんでいることに尽きます。投稿者は、屋外で露出するためだけに旅行に行き、写真を撮る。そこに照れや恥じらいはいっさいない。愛する彼女を中央線の駅のホームに立たせて素っ裸でピースサインをさせるような男は、険しい山を果敢に登っていくアルピニスト同様、尊敬に値するし、感動を覚えます。
 
 しかし、投稿されている写真にエロスを感じるかというと感じない。これを眺めながらオナニーすることは絶対にないし、まずチ○ポが勃たない。投稿雑誌を広げたところで、出るのはため息ぐらい。あけっぴろげな投稿者の人生に対して、なんと自分の人生はちっぽけなのか。そうやって自分の人生を省みるのが投稿雑誌の正しい楽しみ方だと思います。
 
 エロ本やエロDVDがエンターテインメント作品なら、投稿雑誌は純文学作品に位置づけられる。全編にわたって、『苦役列車』のような世界が広がっているんですから。
 
『ニャン2倶楽部』(ニャンニャンクラブ)では読者が送ってきた文章に編集者が手を加えて原稿にしていくわけだけど、「ニャン2文体」とでもいうような独特の文章表現があった。「殺さない限りは何をしてもいい女です」で始まり、「ホテルで即マンに泣きました」で結ぶような文体。言葉のはしょり方が天才的に上手く、抜群に面白かった。僕も渡辺満里奈なんかのグラビア写真に、勝手にニャン2文体の文章をのっけて友達の家にFAXで送りつけていました。

※週刊ポスト2012年8月10日号

関連キーワード

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト