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ぎんさん長女(98才)中日戦で始球式「冥土の土産になった」

 おそろいのユニフォームを着た姉妹たちがグラウンドに並んで立つと、3万5000人の観衆から大きな拍手が起きた。

 8月18日、ナゴヤドーム(愛知県)で行われたプロ野球『中日×DeNA』戦で、蟹江ぎんさん(享年108)の4姉妹(平均年齢93才!)が始球式で登板するという大役を果たした。

「子供からお年寄りまで、多くのファンに球場へ来てほしい」と、この始球式を企画したのは、中日ドラゴンズのOBでタレントの板東英二(72才)。もちろん、生粋の名古屋人の姉妹たちは、熱狂的なドラゴンズファンだ。孫やひ孫など親族あわせて49人と一緒に、マイクロバスで球場にやってきた。

 実は当初、この始球式でボールを投げるのは、姉妹たちを代表して長女・年子さん(98才)だけだった。

三女・千多代さん(94才):「それでな、あんねぇ(年子さん)はもうやる気満々になって、10日ほど前から稽古しとっただが。それも、おもちゃのボールを投げるだけじゃのうて、私とケンカすると、“えーい”と大きな声をあげて、なすやトマトを投げてな。もうどうなることかと思うた(笑い)」

 ところが当日になって、やっぱり4人そろって投げたほうがいいということになった。4姉妹はいつになく緊張した面持ちだったが、それぞれの年齢が背番号として縫い付けられた特製のユニフォームに袖を通すと、表情は晴れやかに。

四女・百合子さん(91才):「生まれて初めてこんなの着たけど、気持ちがいっぺんに20代のころに若返ったが(笑い)」

 そして、いよいよ本番! マイクで板東が「ぎんさんのお嬢さん4姉妹です」と紹介すると、4姉妹がマウンド方向へと向かう。そして“1、2、3、えーいっ!”のかけ声で、4人がそろってボールを投げた。2m先のホームベースへ向かう4つの白球は途中でバウンドしたが、それぞれのキャッチャーが受け止め、球場は割れるような拍手で沸騰。「かわいい~」という声援も。

五女・美根代さん(89才):「もう、胸がわくわくして、夢を見ているようだったがね」

年子さん:「こんなに大勢の人の前でなあ…。もう、うれしくて涙がひとりでに出てきた。冥土のな、何よりの土産になって、ほんと、よかった(笑い)」

 平均年齢93才の高齢姉妹がプロ野球の始球式で登板したのは、ギネスブックに登録できる快挙だという。

※女性セブン2012年9月6日号

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