西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、犬の一気食いを防ぐ方法を伝授する。
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数年前、インターネットのアンケートで「秋といえば何」ってのがあって、その結果は「食欲の秋」が1位。以下「読書の秋」、「芸術の秋」と続いておりました。もし同じアンケートを犬にしたら、彼らの1位も「食欲の秋」でしょうな。もっとも、彼らは2位も「食欲の秋」、3位も「食欲の秋」でしょうけどね。
しかしまぁなんだって犬ってのは、ああやって一気食いするんですかね。なんでも早い奴では100グラムのフードを、わずか15秒で食っちまうそうな。
コンビニのおにぎりが110グラム程度だから、ま、丸呑みにすれば、私にもできないことはないか? でも、良く噛んで食べなさい、って母親に口うるさくしつけられていたんで、そんなこと試しにでもしないけどね。
そもそも、このよく噛むってことを、彼らはしない。大昔は、犬は肉食。歯の形状は、シザーバイトっていって、食べ物を切る機能に特化している。飲み込める大きさに、獲物を切り裂いて、飲み込んじまう、咀嚼などしないってこと。
獲物を確保したら、ジャマされないうちに、とっとと食っておく。しかも、今度いつ獲物を確保できるかわかんないってんで、とりあえず、ドカっと食っておく。噛んでる場合じゃない。ま、そんなところ。気持ちはわかりますがね。
とはいえ一気食いは、胃捻転っていう病気の要因といわれていたり、ついつい飼い主がフードをあげすぎて肥満にさせちゃったり……我々人間同様、健康に悪い!
では、あの一気食いを防ぐにはどうしたらいいのか。お薦めは、フードを報酬とするトレーニングを取り入れ、1日のフードをなるべくそのトレーニングを通じてあげるようにすること。これで一気食いは、一気に解決! ってことですよ。
※週刊ポスト2012年9月21・28日号