夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(46歳)がカメラメーカー勤務の奥様(47歳)。高校時代の女友達と久しぶりの同窓会をしました。
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幹事役のF子から、「M田先輩が特別参加するわよ」と聞き、大コーフン。M田先輩は陸上部のエースで、私の憧れの人。F子によると、東京でサラリーマンをやっていて、私の名前を聞くと、「オレ、昔、好きだったんだよ」といってくれたんだそう!
当日は「女友達に会うのに、そんなに念入りに化粧するのかよ?」という主人に、「遅くなるからね」といい捨て、ドキドキしながら会場の居酒屋へ。F子を見つけると、「M田先輩から電話があってさ、『今さら、50前のおばさんと飲んでもなあ。遠慮しとくよ』だって。失礼よねぇ」って、失礼というより、私のこの風船のように膨らんだ熱いハート、どうしてくれるのよ!
飲んでも騒いでも気持ちは盛り上がらず、9時には自宅に戻ると、玄関前に主人が立っていて、「ちょっと夜風に当たりたくてさ」と、そそくさと家の中へ。入れ違いに出てきた高校生の娘が「パパったら、8時頃から5分おきに外へ出て、ママの帰りを待ってたの」。
50前のおばさんのことをそんなに待っていてくれるなんて。やっぱり、アナタが一番だわ!
※週刊ポスト2012年9月21・28日号