ライフ

“眼ヨガ”で「驚くほど視界が明るくなる」とヨガ研究者語る

誰でも簡単に実践できる“眼ヨガ”

 まずは実験してみていただきたい。両手のひらをこすり合わせ、暖める。そして眼をとじ、両手のひらで両眼を覆った後、ゆっくりと息を吸い、吐く。この深呼吸を10回繰り返す――。

「これは『眼の照気法』といって、手から眼に新鮮な気を送り、疲れや老廃物をとるヨガです。手のひらの中央あたりから暖かい気が出ていると考え、息を吸いながら手から眼に気を送り込み、息を吐きながら眼の疲れを口から出すイメージ。吸う吐くを繰り返すうちに眼の血行が良くなり、驚くほど視界が明るくなります」

 こう解説するのは「龍村ヨガ研究所」を主宰する龍村修氏だ。

「ヨガでは身体の気の流れをよくすることで、本来ある“心身のアンバランスを整える力”を発揮させます。東洋の伝統的な考え方で、手をこすり合わせることで気が生じ、それにより毛細血管が開け、神経の働きが高まり、視界が明るくなった。気がスムーズに流れることで、本来の『眼力』を引き出せたのです。ヨガで視力が改善されるなどは、よくあることです」

 龍村氏とヨガの出会いは、1973年。早稲田大学在学中、演劇活動を通じてヨガを知り、求道ヨガの権威・沖正弘氏に入門。沖氏の没後は道場長をつとめ1994年に独立した。

 戦後日本でヨガの普及に貢献した沖氏は、1975年に『眼がよくなる本』(潮文社刊)、1977年に『3分間で眼がよくなる体操』(同)を発表し、それぞれ20万部を売り上げる大ヒットに。龍村氏も当時は沖氏の内弟子として、眼がよくなる方法の探求に没頭した。

 以来、40年近く、龍村氏は眼のためになる「眼ヨガ」を研究している。

「70年代はまだレーシック手術もなく、眼のためのヨガといえば、視力回復が中心でした。コンタクトはあっても、ドライアイの概念はなかった。時代が移り、今は会社でパソコン、電車でケータイ。眼を酷使する生活スタイルに変わって、“眼の疲れをなんとかしたい”と、お悩みの方が本当に多い。そこで『眼ヨガ』(日貿出版社刊)をまとめたのです」

 先日訪れたブータンでは、日本にはない澄み切った青空と空気に驚いたという龍村氏。現代日本の環境も眼に負担をかける因子だと実感したそうだ。

 一概に眼の疲れといっても、それは単に眼だけの問題ではない。

「眼の異常は生活習慣病である、というのが沖先生の考え方の基本です。例えば、眼窩の外側(両目尻)は脚のアンバランスと密接な関係がある。このツボを刺激すると、脚のアンバランスがスッと改善されたりする。脚の状態が眼に負担をかけているわけです。

 つまりは、心身の異常が眼に症状として現われているが、そこに気付いていない人がとても多い。眼ヨガでは、“身体全体を整えながら、眼の悩みも改善していく”と、考えてください」

撮影■丹羽敏通

※週刊ポスト2012年9月21・28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

奥田瑛二
映画『かくしごと』で認知症の老人を演じた奥田瑛二、俳優としての覚悟を語る「羞恥心、プライドはゼロ。ただ自尊心だけは持っている」
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
日本テレビ(時事通信フォト)
TBS=グルメ フジ=笑い テレ朝=知的…土日戦略で王者・日テレは何を選んだのか
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
「滝沢歌舞伎」でも9人での海外公演は叶わなかった
Snow Man、弾丸日程で“バルセロナ極秘集結”舞台裏 9人の強い直談判に応えてスケジュール調整、「新しい自分たちを見せたい」という決意
女性セブン
亡くなったシャニさん(本人のSNSより)
《黒ずんだネックレスが…》ハマスに連れ去られた22歳女性、両親のもとに戻ってきた「遺品」が発する“無言のメッセージ”
NEWSポストセブン
主犯の十枝内容疑者(左)共犯の市ノ渡容疑者(SNSより)
【青森密閉殺人】「いつも泣いている」被害者呼び出し役の女性共犯者は昼夜問わず子供4人のために働くシングルマザー「主犯と愛人関係ではありません」友人が明かす涙と後悔の日々
NEWSポストセブン
不倫疑惑に巻き込まれた星野源(『GQ』HPより)とNHK林田アナ
《星野源と新垣結衣が生声否定》「ネカフェ生活」林田理沙アナが巻き込まれた“不倫疑惑”にNHKが沈黙を続ける理由 炎上翌日に行われた“聞き取り調査”
NEWSポストセブン
ハワイの別荘と合わせて、真美子夫人との愛の巣には約40億円を投資
【12億円新居購入】大谷翔平、“水原一平騒動”で予想外の引っ越し 日系コミュニティーと距離を置き“利便性より静けさ”を重視か
女性セブン