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IT企業の価値とは? 買収価格が4年間で1/500になる例も

『メルマガNEWSポストセブン』では、『ウェブはバカと暇人のもの』の著者としても知られるネット編集者の中川淳一郎氏が、その週にネットで話題になったニュースのツボを解説している。9月14日配信の31号でも、

「『cakes』『瞬刊!リサーチニュース』『THE BIG ISSUE ONLINE』相次ぎ立ちあがる」
「『プリキュア好き』と報じられていた広島監禁成城大学生に在日コリアン説出て陰謀論盛んに」

など、その週にネット上で起きた様々な事件を紹介しているこのコーナー。なかでも今週「もっともネット的」とでもいうべきネタが「大人気だったソーシャルブックマーク・Diggが激安価格で売られたことがぶり返され、シュンとしてしまう」というネタだ。

 * * *
 今年7月、ソーシャルブックマークサービスのDiggが50万ドル(約4000万円)でインキュベーターのBetaworksに買われたとのニュースが出ました。2008年には、Googleから2億ドル(当時のレートでは約200億円)での買収話を持ちかけられたというスター企業がここまで落ち込んでしまったのです。

 なぜこの話題がここにきて突然また浮上したかといいますと、SEO Japanというサイトが総括記事を出したのですね。同記事は、「なんでもっと早く売らなかったの?」と問題提起をしており、IT企業の売却時期について考察を行っています。写真加工サービスのInstagramがFacebookにさっさと10億ドル(約7800億円)で売り抜けたのとは随分違います。

 元々IT企業の場合は、「期待値」から高値がつきがちで、その後大暴落することがあります。IT企業が提供するサービスってけっこうマネできちゃうことが多いんですよね…。

 どこか一つが始めたら、「よし、ワシらも真似するぞ」となる。ブログなんてまさにそうでした。2004年頃、ライブドアやgoo、エキサイト、GMO、サイバーエージェント、ニフティなどありとあらゆる企業がブログブームに乗っかりました。

 とりあえず、インフラは作ったぞ、どうやってそこからカネを稼ぐかという話になった時、「芸能人を囲い込む」という戦略を取ったサイバーエージェントのアメーバブログが頭抜けるわけですね。

 Diggにしても、2007年頃はFacebookもTwitterもあまり会員がいなかった時期だけに、「話題をシェアする」という意味では最強の存在だったように思えます。それは日本でもはてなブックマークにも言えることです。

 ネットの論壇を引っ張る存在、何か面白いことをやる存在として、はてなは2006年頃君臨していました。それが今、「はてな村反省会」をやるような時代になったりしているわけで、IT界隈の主役変化の速さを感じさせます。

 今いる王者も数年後には没落しているかもしれない──そんなIT界隈に身を置く立場としては、決して他人事とはいえず、私もいつ失脚するのか…と今のうちからガクガクブルブルしている次第でございます。

※参考サイト
・かつて150億円で評価されたNo.1ソーシャルブックマークDiggが4000万円で安売りされた日『SEO Japan』

※メルマガNEWSポストセブン31号

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