ライフ

喫煙カフェ関係者「喫煙者数はワイン人口の2倍以上です」

 長年たばこを吸い続けている本誌記者は、どこでも気軽に喫煙できない昨今の状況を嘆く。ランチどきはどこも禁煙で、おしゃれなレストランではまず吸えない。外出先では気兼ねなく吸える場所を探すのがひと苦労だ。それでもたばこが嫌な人に迷惑はかけたくないため、分煙の店や喫煙場所が増えるといいと願う。

 7月にJTが発表した2012年の『全国たばこ喫煙者率調査』でも、男女を合わせた喫煙者率は21.1%となり、17年連続で低下。こうした状況下、喫煙場所の廃止・縮小で喫煙可能な空間が減っているのが現状で、東京都千代田区では1回50円の『有料喫煙所』まで登場している。

 そんな喫煙者たちに向けて今年4月、新しい形態のカフェ『スモーキングカフェ ブリケ』が埼玉県越谷市にあるイオンレイクタウン内に誕生した。店内は天井が高く広々とし、空調は通常の4倍の強さがあるため、煙のこもらない店内が実現。子供のいる家族連れも歓迎できる環境だ。

 スモーキングカフェ ブリケの野村映爾さんはこう話す。

「時代の流れから喫煙がネガティブに捉えられていますが、それでも喫煙者は約2000万人を超え、1000万人といわれるワイン人口の2倍以上です。嗜好品のひとつと捉えれば、喫煙も快適な空間でゆっくり楽しんでほしいという考えから、このような店をオープンするに至りました」

 女性客も多く、たばこを吸う人と一緒に入店する吸わない人も、飲食とともに会話を楽しむ場になっているという。

 今年、次々にオープンした大型商業施設でも分煙対策は進んでいる。東京スカイツリータウンでは、「喫煙者も非喫煙者も大切なお客様です。その両方のかたがたが気持ちよく共存できる快適な喫煙空間を目指しました」(東武鉄道・久保田和也さん)

 ユニークなのは東京ソラマチ館内に6か所ある喫煙室だ。内部はすべて壁に浮かぶ照明の模様が異なり、別世界が広がる。その模様は江戸庶民の間で流行った、“なぞなぞ”のような知的娯楽『判じ絵』を模している。

 例えば、7階の喫煙室は7を集めて星の形にした模様になっている。「知らない人同士が喫煙する場なので、目のやり場に困らないようなデザインにしたのです」と久保田さん。

 話題のスポット・渋谷ヒカリエでもフロア機能ごとに喫煙室を設けている。

「意匠のベースは曲面壁と映像モニター。さらに照明色を変えたり、アート壁を設置するなどして個性化を図りました。曲面壁の目的はデザイン性の向上だけでなく、煙の流れを考慮した設計となっているので、効率のよい排気が可能となっています」(渋谷ヒカリエ・広報)

 また、ShinQs3Fにあるスイッチルーム(レストルーム)には、ジェット気流が衣類についた花粉やミクロのホコリまで一気に除去する『エアシャワーブース』が設置されている。消臭ボタンを押すと消臭可能なので、たばこの臭い対策にもよさそうだ。

※女性セブン2012年9月27日号

関連キーワード

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン