10月2日に肺カルチノイドのため亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さん(享年41)。わかりやすい解説で評判だった金子さんだが、女性セブンの隔週連載「『女性セブン』を読めばニッポンと経済が見える」では2012年9月27日号に掲載された「パートの時給がぐんぐん上がっている」という特集記事について見解を語っていた。
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46ページという比較的前のページで取り上げられていることから、読者にとって非常に引きの強い記事であることがわかります。つまり、同じ働くのであれば、時給が1円でも高い仕事を探している女性が、かなり多いということが読み取れます。現在パートをしているが、もっと稼ぎたいと考えている人もいるでしょう。企業の人事担当のかたにとっては、こうしたページの位置も要チェックですね。
以前は月に5万~6万円稼げればいいと考えていた人が、消費増税が決まったこともあり、10万~12万円稼ぎたいと考えるようになってきました。お小遣い稼ぎから生活費の補填へと、パートの意味は大きく変わってきています。
一方、パート時給が上がっているのは、企業がパートの戦力化に本格的に取り組みだした表れです。企業からすると、少しでも優秀なパートさんが欲しいのです。
9月にイトーヨーカドーが「平成27年度をメドに正社員を半減し、パートを9割に増やす」と発表しました。日本経済の屋台骨だったメーカーも、シャープが5000人、NECが2400人、パナソニックが3000~4000人規模で正社員の削減を計画しています。企業はもう正社員を増やしたくないのです。増やすのは非正規社員とパートです。ただし社会保険料を抑えたいので、パートには長時間労働をさせてくれそうにありません。
ですから10万円稼ぐのは、大変かもしれませんね。
※女性セブン2012年10月18日号