ライフ

女性は仲良しグループ内で目立ちたいと思う傾向あるとの指摘

 ここ近年、なでしこJAPANや火の鳥NIPPONなど女性アスリートの活躍に注目が集まっている。彼女たちがここまで活躍できた理由とは? 『ホンマでっか!?TV』でお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が脳科学の視点で分析する。以下は澤口氏の解説だ。

 * * *
 私もこの夏、ロンドン五輪で日本のアスリートたちの活躍を楽しんだひとりですが、ロンドン五輪の日本のメダル総数は、男性が21個、女性は17個と男性のほうが少し多い結果に終わりました。金メダル数は、女性が4個、男性は3個と女性が1個だけ多い結果です。このようにメダル数だけをみると、男女の差はあまりないといえます。ところが、女性選手の活躍のほうが皆さんの目や心に焼きついたようです。それは、彼女たちの笑顔と、涙にインパクトがあったせいでしょう。

 そこで今回は、「女性アスリートの活躍」に、脳科学的に注目してみましょう。

 具体的には、女性選手が感情的ストレスをどのように調節して試合に臨んだのかということです。

 感情的ストレスやホルモンバランスがうまく調整できると、元気で前向きになれます。この「元気」や「前向き」の真逆にある精神疾患がうつ病です。うつ病の発症率は女性が男性の2~3倍多いことがわかっています。その理由は、感情に深く関係する「扁桃体」という脳領域が、女性は男性よりも小さいからです。そのため、女性は男性より「感情的ストレス」に弱くなり、特に、人間関係の軋轢などが苦手なようです。

 その解決策として女性は、無意識に(つまり進化的に)、同年代で境遇が似た女性たちとボンド(結合・同盟)を作ります。

 この「仲良しグループ」での雑談(特に自分たち以外の悪口やゴシップなど)がストレス解消の糸口になるのです。もちろん、仲良しグループ内での仲の良い関係も、安定した感情の維持にとても重要です。

 女性にはもともとこのような特徴があるため、オリンピック日本代表も、女性選手同士で「ボンド」をうまく作って、試合に臨んできたはずです。それがまさに「団結」となりました。

 ところが、せっかく仲良しグループを作ったのに、その中で自分が目立ちたいと思うのも、また、女性の特徴のひとつ。試合などでは、女性のこの特徴がプラスに働いてそれぞれが活躍しようとし、良い成績を残せるのでしょう。

 日常においてこの特徴が表れると、いわゆる「抜け駆け」となり、争いが起きます。例えば、仲良しグループにいながら、男性を巡って、自分が勝とうとします。また、子供のお受験の場面などでもその傾向が出てきます。

※女性セブン2012年10月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
横山剣氏(左)と作曲家・村井邦彦氏のスペシャル対談
《スペシャル対談・横山剣×村井邦彦》「荒井由実との出会い」「名盤『ひこうき雲』で起きた奇跡的な偶然」…現代日本音楽史のVIPが明かす至極のエピソード
週刊ポスト
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン