ライフ

石原裕次郎死去で慎太郎氏が海洋散骨願うも、法律で断念した

 みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、“散骨”の海洋葬に参加した。

 * * *
 海洋葬を取材した。遺骨を墓に埋葬するのではなく、海に撒くというセレモニーだ。指定された場所は、神奈川県三浦半島の浦賀。東京から車でも電車でも1時間足らずで行ける距離。東京湾に面したマリーナだ。ここから散骨のために出港するワケだ。

 この日は海洋葬業界のパイオニア「有限会社 風」が主催する“合同散骨”。2組の遺族(それぞれ参加者1名ずつ)と、1組の代理散骨(業者が遺族の代わりに散骨)の計3組の散骨が予定されているという。

 それにしてもマリーナに着いてビックリした。週末だったこともあってか、マリンレジャーを楽しもうというグループ客やファミリーが、マリーナのガーデンで、バーベキューに興じている。

 これからここで“葬送”を行なうというムードは皆無! ここに喪服姿の人が来たら完全な場違いだよなあ、と思ったが、「風」の海洋葬は、喪服での参加はNGなんだとか。これから船に乗る2人の遺族の方……2人とも女性であったが、あくまで服装はカジュアルだった。

 しかし、前々から気になっていたのは、そもそも「散骨って法律的にはどうなのか?」ということであった。これには色々な紆余曲折があったらしい。

 まず1987年、石原裕次郎がなくなった時、兄の石原慎太郎が、「海を愛していた弟は、海に還してあげたい」と海洋散骨を計画するが、当時の法解釈(刑法190条、墓地、埋葬等に関する法律)では認められず断念。

 しかし1991年に「葬送のための祭祀で節度を持って行なわれる限り違法ではない」と法務省が発表。これ以降「他人の土地に無断で撒かない」「散骨場所周辺の住民感情に配慮」といったことを遵守するということで、散骨を伴う海洋葬は行なわれるようになったという。

※週刊ポスト2012年11月2日号

関連記事

トピックス

人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン