大和撫子が見事世界一に輝いた。世界三大美女コンテストのひとつ、ミス・インターナショナル世界大会(10月1日~21日)。52回の歴史上初めての日本人優勝者は、佐賀県鳥栖出身の吉松育美さん(25)である。
身長170センチのすらりとした肢体と純和風の小顔。幼少時から学んでいたという英語スピーチも審査員の高い評価をうけ世界80の国・地域69人の頂点にたった。佐賀在住の父、幸宏(53)氏に話を聞くと、感慨深げにこう語った。
「まさかあの子がねぇ、小さい頃は、将来は男になる、なんていってたぐらい男勝りの子でした。大きくなったら、(オチンチンが)生えてくると本気で思っていたようですよ」
高校卒業まではショートヘアで、「スカートをはきたくないからと、中学生になるのを嫌がる」ようなボーイッシュな女の子だったという。学生時代はスポーツに励んだ。
小中学生時代、バレーボールに熱中し、佐賀県選抜のエースアタッカーまでつとめた。高校から始めた陸上では、100メートル障害で県総体1位になった。
決断力もあり、「度胸は私よりも上。緊張というものをしたことがないんじゃないか」と父は娘に太鼓判を押した。実は世界制覇は父娘の悲願でもあった。
世界大会優勝が決まったあと、娘は父に「グランプリとっちゃったよ」と報告したという。グラム単位で体重を管理する娘の厳しい生活も垣間見てきた。努力が報われて、夢が叶って、その姿を家族とともに見届けることができて「本当に親孝行な娘です」と父はさらに目尻を下げた。
※週刊ポスト2012年11月9日号