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練馬区 戦後の制度改革で区政が変わる瞬間に板橋区から独立

“東京23区”という行政区分は戦前からあったと思われがちだが、実はそうではない。1878年の郡区町村編制法で東京が15区に設定されたのが東京23区の雛形だ。その後、1932年発令の35区制を経て、1947年8月に現行の区割りになる。

 ただし、その半年前にあたる1947年3月から一時期、「東京22区」だったことがある。現在の練馬区は当初、板橋区の一部だったのだ。練馬区在住の郷土史家の解説。

「戦前から、過疎地域であった練馬一帯は板橋区に組み込まれていました。ただし、板橋区が広すぎるので住人が行政サービスを満足に受けられない。板橋区役所が東端にあることから、西側の練馬地域の人たちには不便でしかたがない。戦後の地方制度改革で区政が変わるタイミングで一挙に独立運動が高まった」

 練馬独立を訴える声は日増しに高まり、板橋区議会は紛糾した。独立が決定した1947年7月1日の区議会では、賛成派が反対派の退場を迫るほどの熱気だったという。

※週刊ポスト2012年11月16日号

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