国内

大前研一氏 携帯は使い放題話し放題で月2000円になると予測

 先月、ソフトバンクが米携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収を発表し、世間を驚かせた。ソフトバンクの動向に限らず、携帯電話事業そのものが過渡期を迎えていると語るのは大前研一氏だ。以下、氏の解説である。

 * * *
 今やスマホユーザーの間では、Voip(Voice over Internet Protocol/音声データをインターネットなどを使って送受信する技術)による無料通話アプリの「Skype(スカイプ)」「LINE(ライン)」「Viber(バイバー)」などが大人気で、利用者が急速に拡大している。LTE(高速通信規格)が普及すればiPhone5のようなスマホをルーターとして全世界でWi‐Fiを“持ち歩く”ことができる。

 携帯電話会社は電話ではなく通信の“土管”となるので、現在4000円台の攻防となっている携帯電話のARPU(Average Revenue Per User/1契約当たりの月間売上高)は、おそらく「使いっぱなし、話しっぱなしで月々2000円」くらいになってしまうだろう。それと同時に、有線か無線か、固定か携帯か、市内か市外か、国際通話か国内通話か、通話か通信か、といった区別は全部なくなっていく。

 アップルのような会社はアップストアなどを通じて小売業になっているので、携帯電話会社の土管化はむしろ歓迎だろう。つまり、先進国においてはLTEなどの巨大投資をすればするほど土管化し、客単価が下がっていく、という趨勢にあると見なくてはならない。この戦いでは、業界トップが断然有利となる。

※週刊ポスト2012年11月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《借金で10年間消息不明の息子も》ビッグダディが明かす“4男5女と三つ子”の子供たちの現在「メイドカフェ店員」「コンビニ店長」「3児の母」番組終了から12年
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《多産DVを語ったビッグダディ》「子どもができたら勝手に堕ろすんじゃないぞ」4男6女の父として子供たちに厳しく言い聞かせた理由
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン
ボニー・ブルーとの2ショット(インスタグラムより)
《タダで行為できます》金髪インフルエンサー(26)と関係を持った18歳青年「僕は楽しんだから、被害者になったわけじゃない」 “捕食者”との批判殺到に反論
NEWSポストセブン
2人は結婚3年目
《長髪62歳イケオジ夫との初夫婦姿》45歳の女優・ともさかりえ、3度目の結婚生活はハッピー 2度の離婚を乗り越えた現在
NEWSポストセブン
オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙
「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き
NEWSポストセブン
記者の顔以外の一面を明かしてくれた川中さん
「夢はジャーナリストか政治家」政治スクープをすっぱ抜いた中学生記者・川中だいじさん(14)が出馬した生徒会長選挙で戦った「ものすごいライバル候補」と「人心を掴んだパフォーマンス」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博内の『景福宮』での重大な疑惑が発覚した(時事通信)
《万博店舗スタッフが告発》人気韓国料理店で“すっぱい匂いのチャプチェ”提供か…料理長が書いた「始末書」が存在、運営会社は「食品衛生上の問題はなかった」「異常な臭いはなかった」と反論
NEWSポストセブン
63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
《63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志》不良役演じた『ビー・バップ』『スクール☆ウォーズ』で激変した人生「自分の限界を超える快感を得ちまった」
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがニューシングル『Letter』をリリース(写真・左/AFLO、写真・右/Xより)
羽生結弦の元妻のバイオリニスト・末延麻裕子さん、“因縁の8月”にニューシングル発売 羽生にとっては“消せない影”となるのか 
女性セブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン