国内

天皇家の食事 1日1800kcal、化学調味料使わず塩分10g以内

 ともに78才というご高齢で、さらにご病気も抱え、体調も万全でないなか、ほとんど休みもなく“国民のために”と激務を続けられている天皇皇后両陛下。お体の健康を維持するため、日々、細心の注意を払われ、ケアしてこられたが、日々、どのようなお食事を召し上がっているのだろうか。

「陛下は高校生の頃の体形をいまも維持されているんですよ。スーツなどの寸法はほとんど変わっていない。それほど健康のために食事には気を使われているんです」

 こう話すのは、陛下の学習院初等科時代からのご学友でジャーナリストの橋本明氏だ。

 天皇家の食生活は、医食同源として食で健康を目指す“食養学”に基づいている。

 両陛下の食事を実際に作るのは、宮内庁大膳課の職員。大膳課は5つの係に分かれ、第1係は和食、第2係は洋食、第3係は和菓子、第4係はパンと洋菓子、そして第5係が東宮御所担当となっており約50人が勤務している。

 メニューは主厨長と副厨長が2週間分を考える。基本的に朝は毎日、トーストやオートミールなど軽めの洋食で、昼食と夕食は和食と洋食が交互に出される。

 昭和天皇時代に約5年にわたって宮内庁大膳課に勤め、現在は東京・江古田で『ビストロ サンジャック』を開いている工藤極氏はこう語る。

「大膳課の職員は陛下のことを“聖上”とお呼びしていました。私が大膳課に入って、まず言われたのが“聖上には糖分・脂分は控えるように”ということでした。素材が本来持っている淡い味を引き出すような調理を心がけました。それととにかく食材を使い切れということを口酸っぱく言われました」

 侍医から“1日1800kcal”という指示があり、市販の化学調味料は一切使わず、塩分も1日10g以内だったという。

 そして調理の基本とされたのが「一物全体食」という食材を余すことなく使い切るという考えだったという。

「それが栄養のバランスが偏らないようにする大膳課に伝わる伝統なんです。例えば、野菜の皮は、後でスープの具にしたり、葉物なら後日漬け物にします。鶏肉も、胸肉、もも肉は主菜に使い、手羽は後日、スープの具に。骨はスープのだしを取るのに使い、ぼんじりは軽く揚げてつけ合わせにするといったようにです」(前出・工藤氏)

 材料は厳選されたものを使うのだが、新鮮な肉、野菜、乳製品といった食材のほとんどが栃木県高根沢町にある御料牧場で生産されている。広さは約252ヘクタール(東京ドーム約54個分)と広大な敷地ながら、“天皇家の台所”である場所だけに周囲の至るところには“関係者以外立ち入り禁止”の看板が設置される徹底ぶり。それだけ安全・安心な食材を細心の注意を払って天皇家の食卓に届けている。

 前出の工藤氏がもうひとつ叩き込まれた基本が「明治の料理の三大原則」だった。

「“焦がすな”“捨てるな”“腐らすな”と非常にシンプルなことでした。つまり商品にならないものを作らない、余った食材は捨てる前に何か使えないか考えろ、在庫を把握して常に鮮度を見ろというものでした」

 そんな徹底した“食養学”の下、食卓に並ぶ料理。昭和天皇は絶大なる信頼を置き、召し上がっていたという。  「聖上はいつも腹八分目で終え、おかわりをされることは一度もありませんでした。食事に対してリクエストや好き嫌いを言われることはなく、出されたものだけを召し上がり、食後のお菓子以外は間食もしない。アルコールも一切口にされませんでした。ちなみに好物はバナナのベーコン巻きや鰻茶漬けでしたよ」(前出・工藤氏)

※女性セブン2012年11月29日・12月6日号

関連記事

トピックス

アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
決定戦で横綱を下した安青錦(写真/JMPA)
【最速大関・安青錦の素顔】ウクライナを離れて3年、なぜ強くなれたのか? 来日に尽力した恩人は「日本人的でシャイなところがあって、真面目で相撲が大好き」、周囲へ感謝を忘れない心構え
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
主演映画『TOKYOタクシー』が公開中の木村拓哉
《映画『TOKYOタクシー』も話題》“キムタク”という矜持とともにさらなる高みを目指して歩み続ける木村拓哉が見せた“進化する大人”の姿
女性セブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト
CM露出ランキングで初の1位に輝いた今田美桜(時事通信フォト)
《企業の資料を読み込んで現場に…》今田美桜が綾瀬はるかを抑えて2025年「CM露出タレントランキング」1位に輝いた理由
NEWSポストセブン
亡くなったテスタドさん。現場には花が手向けられていた(本人SNSより)
《足立区11人死傷》「2~3年前にSUVでブロック塀に衝突」証言も…容疑者はなぜ免許を持っていた? 弁護士が解説する「『運転できる能力』と『刑事責任能力』は別物」
NEWSポストセブン
アスレジャー姿で飛行機に乗る際に咎められたそう(サラ・ブレイク・チークさんのXより)
《大きな胸でアスレジャーは禁止なの?》モデルも苦言…飛行機内での“不適切な服装”めぐり物議、米・運輸長官がドレスコードに注意喚起「パジャマの着用はやめないか」
NEWSポストセブン
(左から)小林夢果、川崎春花、阿部未悠(時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫の余波》女子ゴルフ「シード権」の顔ぶれが激変も川崎春花がシード落ち…ベテランプロは「この1年は禊ということになるのでしょう」
NEWSポストセブン
吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン