ライフ

「足し算ができる馬」や「時間が分かる犬」はなぜ存在するのか

 西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、犬同士の挨拶の方法について解説する。
 
 * * *
 20世紀の初頭、足し算ができるっていう触れ込みの馬がいた。真相は以下の如く。問題の答えを観客は知らされている。で、正解に近づくと息をのむなどのわずかな変化を見せる。その変化を馬は読み取っていた。

 犬も同じだけど、動物たちってのは、ちょっとした状況の変化を読み取ることに、実に長けている。よく飼い主の帰宅時になると玄関に待っているとか、散歩の時間や食事の時間になると騒ぎ出すとか、あたかも時間がわかるのではないかっていう、行動も取る。

 この時間がわかるような行動ってのも、わずかな状況の変化を読み取っているってこと。しかも、その変化を感じたときに、特定の行動を取ると、いいことが起きる、なんてことまで学習しちゃう。

 例えば、新聞屋さんがやってくる時間はだいたい決まっていて、その気配を感じた後に、いつもお散歩に出られていれば、新聞屋さんが来ればそろそろお散歩ってことを犬は理解する。犬は散歩に出られるってんで、興奮して吠える。

 犬の方は、「新聞屋さんがきたら吠えれば散歩に行ける」、と勘違いし、飼い主の方は、散歩の時間になると吠えるんで、「自分の犬は時間がわかる」、と勘違いする。

 こんな犬もいる。

 ゴミを捨てるために玄関から出ても吠えないのに、お出かけのために玄関を後にすると吠える。お留守番させられる状況かそうでないかを、飼い主の着ている物や持ち物で、判断してるわけ。

 そんな犬はどうするか? 明日からでもどうにかしたいのなら、当面はゴミ袋に着替えを入れて、外で着替えをなさるのがよろしい。もちろん、いつまでもそんなことはしてられない。明日スーン……じゃなかった、アズ・スーン・アズ、お留守番に必要なトレーニングを伝授してくれる、しつけ教室を探すことですな。

※週刊ポスト2012年11月30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
優勝11回を果たした曙太郎さん(時事通信フォト)
故・曙太郎さん 史上初の外国出身横綱が角界を去った真相 「結婚で生じた後援会との亀裂」と「“高砂”襲名案への猛反対」
週刊ポスト
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン