みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、墓の永続性について考える。
* * *
墓を買う時には「永代使用料」というのを支払う。「永代」っていうくらいだから、一度払えば、その後ズ~ッと永遠に使えると思う人もいるかと思うが、実は違う。
これとは別に年間の「管理費」ってのを払う必要がある。この管理費、区画の広さや霊園の場所によって様々だが、年間数千円から高くても2万円程度。
たいした金額でもないのだが、払うべき子孫がいなけりゃ当然払えなくなっちゃうワケで、そうなると霊園側も永代使用権を剥奪してその墓を撤去することになる。電気、ガス、水道が自治体によって2~6か月料金を払わないと止められるのと同じ理屈だ。
ただ墓の管理費は1年払わなかったくらいで撤去されることはない。
それじゃあ何年払わなければ撤去されるかというと、一般的には普通のお墓で5年。納骨堂タイプのお墓では13年だという。その撤去された墓が無縁墓となる。
※週刊ポスト2012年12月7日号