スポーツ

中畑清夫人の壮絶子宮頸がん闘病 30回の放射線治療するも転移

 美しくいろづいたいちょうの木々が並ぶ都内の大学病院。12月上旬、その個室に入院中の横浜DeNAベイスターズ・中畑清監督(58才)の妻・仁美さん(享年59)を見舞うため、家族と友人たちが訪れた。

 抗がん剤で髪の抜けた頭を隠すためだろう、バンダナを巻き、やせ細ったその姿からは、元気だったころの面影はない。9才の孫が仁美さんに甘える。だが、何か話そうにも、彼女は声を出す力さえなかった。

「おばあちゃん、帰るね」

 病室を後にする孫たちを見送ろうとしても、体はいうことをきかない。かろうじて動く両足を手のひらに見立ててゆっくりと“バイバイ”。それが精いっぱいだった。そのとき中畑監督は、仁美さんの隣で涙をぐっとこらえることしかできなかったという。

 そして12月5日、仁美さんは息をひき取った。死因は子宮頸がんだった。病気が判明したのは2012年2月のこと。体調不良のため、病院で検査を受けたところ、子宮頸がんと診断された。そのときは良性の腫瘍とのことで、切除手術を受け、家族一同ほっと胸をなでおろしていた。だが、3月の再検査で新たに悪性の腫瘍が見つかる。

 30回近い放射線治療を受けたが、リンパ節への転移が判明。2012年夏からは、抗がん剤治療も開始したが、すでに他の臓器にもがんが転移していて、手の施しようがない状態だったという。

 診断から亡くなるまでわずか10か月。あまりに早い進行だが、子宮頸がんは、日本では年間約8800人が発症し、約2400人が命を落としている。

※女性セブン2012年12月27日・2013年1月1日号

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン