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「野田政権とは何だったのか」が分かる3冊を山内昌之氏選出

 毎週、週刊ポストの書評委員がオススメの本を紹介する「この人に訊け!」。今回は、「2013年を乗り切るためにこれを読め!」と題し、明治大学特任教授の山内昌之氏が、「野田政権とは何だったのか」を知る3冊をピックアップした。以下、その3冊と山内氏の解説だ。

【1】『素志貫徹 内閣総理大臣 野田佳彦の軌跡』(松下政経塾/国政情報センター)
【2】『政権交代の試練』(前原誠司/新潮社)
【3】『民主瓦解』(読売新聞政治部/新潮社)

【1】は松下政経塾で政治を志してから毎朝駅で有権者に語りかけるまで、野田佳彦首相の政治家としての原点にこだわる。故松下幸之助氏との出会いや薫陶は他の政治家にも益するところが多い。

【2】は、前原誠司国家戦略担当大臣が京大の高坂正堯教授のもとで国際政治を学びながら、何故に政治家に転じたのかを知る上でも興味が尽きない。ことに偽メール事件で命を絶った永田寿康氏の死の実相、故人の父親との対面など政治リーダーとしてつらい経験も赤裸々に描かれる。前原氏が“情の人”でもあることが書物から自然に浮かび上がる。

【3】は、小沢一郎氏との政争に決着をつけた野田首相による民主党の再生と純化のドラマに触れる。税と社会保障の一体改革をめぐって前原政調会長(当時)が“大衆討議”のような無秩序な発言の場で吊るし上げられる模様は、民主党の未熟さと挫折が偶然でないことを示す。それにしても、野田政権はよく解散総選挙まで持ちこたえたものだ。

※週刊ポスト2013年1月1・11日号

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