スポーツ

元西武・東尾修氏 若き清原にボールの避け方で説教していた

 日本プロ野球黎明期に、グラウンドを彩った選手たちが、もし現代のプロ野球に甦ったら――? そんな夢のようなテーマを元に、往年の名選手に話を聞いた。西武ライオンズの元エース・東尾修氏は、「今の打者なら無理して内角を攻める必要もない」と語る。

「狭い球場だからこそ、投球術が必要だった。僕の場合は、門田(博光)さんや野村(克也)さんといったいい打者が揃っていて、彼らを打ち取るために、左右ギリギリのコーナーを突く投球術が必要だった。

 相手が避けるのもうまかったから、こちらも思い切っていけた。内角ギリギリを突くと、相手は次にスライダーを予測して、打席で1歩前に出てくる。だからもう1球内角に投げてのけぞらせる。たまに力んでぶつけてしまうこともあったけど、そうしないと自分が打たれるから死活問題なんです」

 通算与死球記録165個を持つ東尾氏。だがそれは、良い打者が相手だったからこそのものだった。

「一度、近鉄の若い選手にたまたまぶつけてしまったことがある。その時、彼がマウンド上の僕を睨んできた。その時にいったものね、“お前に当てて損するのはこっちや。そんな馬鹿なことはせんわい”と。こっちもギリギリを投げる能力があり、相手もそれを避けられる技術があるから成立したわけです。若い頃の清原(和博)に、“お前は避け方が下手なんだから、余分な挑発をするんじゃない”といったものですよ。

 ただ、最近の選手を見てると、そんな勝負に行く必要もないだろうな、と思います。データと確率だけで待っている選手に、無理して内角を攻めるリスクを背負う必要もない。今投げれば、死球王の汚名も返上できると思いますよ」

※週刊ポスト2013年1月1・11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン