爆弾低気圧などもやってきて寒さ厳しい日々が続いているが、暖かさを保つコツはあるのだろうか? ここでは服の着方を紹介しよう。
「毛糸のセーターなど“冬素材”の服を着れば暖かい、と思いがちですが、当然のことながらセーターそのものは発熱しません。いちばんの熱源体は“人の体”です」
というのは、文化学園大学服装学部教授の小柴朋子さん。
「暖かさを保つには、体から出る熱をどれだけ閉じ込めるかがポイントです。服を快適に着ている状態の皮膚の温度は約32℃。その熱を衣服の内側に閉じ込めてなるべく逃がさないよう保つ工夫が必要です」(小柴さん・以下同)
外気を2℃とすると皮膚表面との差は30℃。部屋の中を20℃に設定すれば、その差は12℃。服を適当に着ていると、その温度差で皮膚表面の温度がどんどん下がってしまう。暖かい着こなしのコツは、“空気の層を着る”ことだと小柴さんは言う。
「衣服の中の空気が動くと温かい空気が逃げてしまいます。そこで空気を静止させた上で、その層を何層か重ねる着方をすると、かなり暖かく過ごせるのです」
そこで具体的な方法を教わった。
「大切なのは肌着。素肌と1枚目の服との間に余分な空気が入ると熱が逃げやすくなるので、皮膚の表面にフィットする、伸縮性のある肌着をまず着ます。
2枚目は1枚目との間に5mmぐらいの隙間ができるものが理想的。圧迫は感じないけれど、それなりにフィットする感覚で判断してください。裏が起毛しているものやウール素材など厚みのある下着がオススメです。繊維は吸湿したときに発熱するという特性があるのですが、ウール素材は、繊維の中でも吸湿発熱効果が高いので、暖かさが持続できます」
3枚目は毛糸のセーターなど、空気の層を増やすモコモコ素材がオススメだ。
「セーターは糸と糸の間に空気をたくさん含むので、あまり目の詰まっていない厚手のものを選ぶといいでしょう。また、サラッとしたセーターより、モヘアなどのモコモコ素材のほうが暖かく過ごせます」
※女性セブン2013年2月7日号