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中国メディア 尖閣沖の魚を「愛国魚」と名付け新鮮さを主張

中国では尖閣沖で獲れた“愛国魚”が人気(上海)

 以前、大気汚染が深刻な中国で「釣魚島、中国的! 不容侵犯」(釣魚島は中国のもの! 侵犯許すまじ)と書かれた“反日マスク”が販売され話題となっていることを報じたが(関連記事参照)、屋内でも「反日商戦」は繰り広げられている。

 1月26日に上海で開催された食品物産展では、「釣魚島的魚 登陸上海(釣魚島の魚が上海に上陸)」と書かれた巨大看板を掲げた鮮魚店のブースに人だかりが。尖閣沖で獲れたという魚はウマヅラハギ、サワラ、ハマダイ、サバの4種類で計4トン以上。

「釣魚島で獲れた魚だよ。魚を買って愛国だ」と売り子たちは叫ぶ。「漁場で日本の巡視船に警告されないのか」と尋ねてみると、「そんなもの関係ないね、それより魚買ってきなよ」と一蹴された。

  一番人気のウマヅラハギは500gあたり25元(約360円)と市価の倍近いが、「釣魚島」の3文字が愛国心を煽るため、多少高くても財布のヒモが緩むらしい。反日を掲げれば、この吸引力である。

 中国メディアは尖閣沖の魚を「愛国魚」と名付け、新鮮でうまいとアピール。上海近郊の南京市や揚州市では、産地不明の魚を「釣魚島の魚」と称して、高値で売ろうとする便乗商法も続々現われている。

 なんとも、したたかな「反日ビジネス」はまだまだ続きそうである……。

撮影■西谷格

※週刊ポスト2013年2月15・22日号

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