暑くなる前に行くバイクでツーリングは爽快なのだが(写真提供/イメージマート)
旧車と呼ばれる古いオートバイを運転するグループ「旧車會」は、参加する年齢層が幅広いことや、なかには家族連れで参加するメンバーもいるなどの事情から日中、集団で走行することが多かった。ところが、今年の暑さによって事情が変わってきているという。ライターの宮添優氏が、夜に繰り出し「ナイツー」するグループが増えたことで、新しい迷惑を被っていると訴える住民の声をレポートする。
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観測史上最高など記録ずくめの高い気温が続き、街行く多くの人々がハンディファンを持ち歩き、男性が日傘をさすようになるなど、ライフスタイルさえも様変わりした。どんな立場の人も変化を迫られたようで、暑い夏は、暖かくなると出現し夏には最盛期を迎える「あの人たち」にも影響を及ぼしている。
「まだ昼にやられた方がマシ! 夜涼しくなって、エアコンを切って窓を開けると、外からブンブン聞こえてくるから、結局窓を閉め切ってエアコンに頼るしかない。あの人たちのことを”虫と一緒”と言いましたが、正直、虫より迷惑ですよ」
こう怒りをあらわにするのは、埼玉県在住の専業主婦。近くのコンビニに現れる「旧車會」によって被る迷惑について、以前、筆者に語ってくれた女性である。最近の旧車會は、夕方から夜、ときには深夜にかけて出没するようになり、騒音によってほとんど眠れぬ夜もあると訴える。
「夜、寝てるでしょ、すると遠くから本当に虫の羽音のようにブーン、ブンブンって聞こえてくる。それで目が覚めちゃってね。すぐ近くにあるコンビニの駐車場が広くて、以前から暴走族風(筆者註・旧車會のこと)の若者がタムロしてたけど、最近は夕方とか夜とか、涼しくなってから出てくるようになったんですよ。パトカーも来るけどね、口頭で少し注意するだけで、お咎めなしなんだから」(埼玉県在住の専業主婦)
一般人から見たら単なる暴走族
旧車會事情に詳しい、アウトロー系雑誌のカメラマンがいう。
「夏になると、様々な旧車會チームが集い、多い時にはバイクなど数百台が連なって”ツーリング”をするんですが、最近はとにかく暑い。バイクに乗れば、風に当たって涼しいなんて言いますが、とても耐えられる暑さではない。なので、近頃はナイトツーリング、略して”ナイツー”が旧車會メンバーの間で流行りつつあります」(アウトロー系雑誌のカメラマン)