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紫外線には免疫能力を向上、骨密度や筋力を維持する効用あり

 白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として新刊『ボケない道』(小学館101新書)を上梓し、テレビ出演も多い白澤氏が、有害な印象がある紫外線のプラスの効用について語る。

 * * *
シミや皺の原因になる紫外線は有害─そんな印象を持っている人も多いだろう。しかし最近、紫外線のプラスの効用が注目されている。 三浦敬三さんが100歳になっても山岳スキーを楽しんでいたことは、以前にも紹介した。

 三浦さんが最初に山岳スキーを始めたのは20代の頃、青森県の八甲田山で滑ったのが最初というから、なんと80年間も山岳スキーを楽しんでいたことになる。山の雪は紫外線を反射するので、敬三さんが山岳スキーで受けた紫外線の量は相当な量に達していたはずだ。

 しかし、驚くべきことに三浦敬三さんは日焼け止めクリームを使った経験がなかった。それでも、100歳になっても敬三さんの皮膚は若々しく皺もほとんどなかったことは驚きだったが、最近の研究で紫外線を浴びていたからこそ骨を強く保つことができ、しかも認知機能を保つことができた理由が明らかとなった。

 皮膚が紫外線を受けると、皮膚の基底層と有棘層の細胞膜に存在するコレステロールから「プレビタミンD」が生成される。プレビタミンDは自然に体内で異性化してビタミンDへと変化するが、さらに肝臓で水酸化され(=25(OH)D)、肝細胞に蓄えられることになる。

 蓄積された前駆体のビタミンDは腎臓でも活性化されて活性型ビタミンDとなり、免疫細胞や脳、心臓、皮膚、生殖器、前立腺、乳腺、腸、骨、腎臓など様々な細胞でビタミンD受容体に結合すると、カルシウムの吸収を促進したり、免疫能力を向上させたり、骨密度を維持したり、筋力を維持したりする作用を発揮する。

 米国タフツ大学医学部栄養学のブエル博士らの研究グループは、在宅ケアを受けている高齢者318人(平均年齢73.5歳)について、血中の25(OH)D濃度を測定し、認知機能との関連性を検討した。結果、認知症を発症している高齢者はその血中濃度が有意に低いことが明らかになった。

 認知症をもたらす疾患別に検討したところ、アルツハイマー病や脳血管性認知症などでも、ビタミンD欠乏症と認知症の関連性が認められた。

※週刊ポスト2013年3月1日号

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