国内

高度成長期に伸びた立正佼成会 過去10年で約240万人信者減

 東京タワー近くの都心の一等地にひときわ目を引く巨大な釈迦殿を構えているのが霊友会だ。1975年の竣工だが、「総工費は当時の金額で160億円以上」(宗教学者・島田裕巳氏)といわれる。関西学院大学の對馬路人教授(宗教社会学)はこう指摘する。
 
「先祖崇拝と法華経の教えを結び付け、男親だけでなく女親の系譜の両方を先祖供養するのが霊友会の特徴。そこに家庭の幸福があり、社会平和があるという考え方が基本になっている」

 この霊友会からは数多くの信者が独立しているが、その中で最大規模を誇るのが立正佼成会である。本部のある東京・杉並には大聖堂、5000人収容の大ホール・普門館などの関連施設が林立している。
 
 立正佼成会は創価学会と同じように、高度成長期に都会に出てきた地方出身者を取り込み、勢力を拡大した。島田氏は言う。

「その意味で創価学会への対抗意識は強い。反創価学会系の新宗教教団が結成した新日本宗教団体連合会でも中核となって活動している」

 しかし過去10年間で約240万人の信者を減らしている(宗教年鑑による)。北海道大学大学院の櫻井義秀教授(宗教社会学)は指摘する。

「立正佼成会の信者の目減りが大きいのは、先祖崇拝を基本にしているからだろう。家族形態が変化して『家』の意識が薄れた今、先祖崇拝で若い人の関心をひくことが難しくなっている」

※SAPIO2013年3月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン