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離婚後の子供の養育費 年収300万円なら月2~4万円が相場

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「別れた妻から高額な養育費の請求。受け入れるべきでしょうか」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 昨年暮れに離婚しました。子どもは一人いますが、お互い納得の上での離婚なので慰謝料もありません。問題は、請求されている養育費です。毎月15万円を請求してきていますが、これだと私自身の生活が苦しくなります。25万円の給料の場合、子ども一人の養育費の適正金額はいくらになりますか。

【回答】
 離婚する夫婦は、親権者の決定などのほかに、子どもの監護の費用の分担なども協議して定めます。この監護費用の分担について協議ができないときは、家庭裁判所が決定することになります。

 もし、今請求されている15万円の額が当事者間で合意した養育費の分担額であれば、約束した以上、守らなくてはなりません。しかし、実行不可能な状態になるなどして変更が必要になった場合は、家庭裁判所が認めれば変更できます。

 未成熟の子どもへの扶養義務は生活保持義務といって、一緒に暮らしていれば享受できたはずの生活水準を保ってやる必要があります。ただ、親が生活できなくなるほどの扶養義務は認められません。公的支援があって然るべきです。

 そこで、家庭裁判所の調停や審判の多くの例では、離婚後の子どもの養育費の負担について、双方の収入を考慮して作成された「養育費・婚姻費用算定表」が利用されています。これは過去の裁判の例を集計したグラフであり、当該の事例の当事者の年収と子どもの数と年齢をあてはめて負担額を出しています。簡便であり、話し合いでも基準として活用できます。

 たとえば、14歳以下の子ども一人で、養育費支払い義務者であるあなたの年収が300万円(25万円×12/ボーナスがあれば加算)の場合、前妻の年収が200万円以下であれば、月2万~4万円になります。前妻の年収がもっとあれば、1万~2万円に減額できます。但し、子どもの年齢でも違ってきますから、ご自分で確認してください。この算定表は、裁判所のホームページで見ることができます。

 算定表に拘ることはありませんが、標準的なものとして説得力があり、あなたに特別な事情がない限り、15万円の請求は拒否でき、前妻が家庭裁判所に持ち出しても、認められないはずです。

※週刊ポスト2013年3月15日号

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