国内

大前研一氏が推奨 定年を引き下げる「大前式定年制」を解説

 4月から「改正高年齢者雇用安定法」の施工により、希望者全員を65歳まで雇用する制度の導入が企業に義務付けられる。しかしこの制度について大前研一氏は、「むしろ定年を引き下げよ」と説いている。以下、大前氏の解説だ。

 * * *
 私の提案は、定年を65歳に引き上げるのではなく、「50歳前後に引き下げる」という方法だ。こうした発想は、昨日今日思いついたものではない。私がマッキンゼー時代に導入した独自の定年制度がある。それは従来からの60歳定年制は残したまま、「年齢+勤続年数=75歳」を過ぎたら、いつでも定年退職できる、というものだ。

 たとえば、あなたが23歳で会社に入り、49歳を迎えたとする。その場合、勤続年数は26年だから「49+26=75」で、めでたく正規の退職金を全額もらって定年退職できるのだ。実際、私は自分でつくったその制度を使い、50歳になった年(51歳になる前)にマッキンゼーを定年退職して第二の人生をスタートした。

 日本企業も、この「大前式定年制」のようなシステムを導入し、65歳定年制とどちらかを選択できるようにすべきだと思う。たとえば50歳で辞めた人には、50歳で昇給が止まったとして65歳まで15年分の生涯給与を払ってしまうか、年金として65歳まで払い続ける。

 そうすれば、50歳から他の会社に再就職して給与が半分になったとしても十分、暮らしていける。あるいは、「大前式定年制」で辞めた場合に最も多く退職金が出るようにして、それ以降、長く会社にいればいるほど退職金が減るようにする方法もあるだろう。

 いずれにしても“最初の定年”を引き下げれば、日本は活性化する。なぜなら、日本は大企業が人材を抱えすぎていて、中小企業は人材が足りないからである。

 また、大企業で働いていた人が早めに表に出て、それまでの経験を生かして中小企業や地方の企業に貢献したり、若い人たちと一緒に新しい会社をつくったりしたほうが、元の会社で“生ける屍”になって飼い殺し状態に甘んじるよりも、絶対に日本のためになる。また、そういう覚悟で最初の15×2=30年を過ごすほうが、若い人にとっても気合いが入るだろう。

※週刊ポスト2013年3月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

松田烈被告
「スマホから『映してください』と指示の声が…」ネットで“性的暴行してくれる人を募集”した松田烈被告(28)、被害女性が語った“外道すぎる犯行”
NEWSポストセブン
ジャーナリストの溝口敦氏(左)とフリーライターの鈴木智彦氏
《溝口敦氏×鈴木智彦氏が対談》山口組抗争終結後の暴力団 勝ったはずの六代目山口組含めて勢力は縮小、トクリュウのほうが経済規模も大きく勢いがある現状
週刊ポスト
真美子さん(共同通信)が使用していたブランドとは
《ハワイ・ファミリーデートで真美子さんが持っていたプチプラバッグ》「同年代インフルエンサーのアスレジャーブランド」か?と話題に 実用性の高いトートバッグ、大谷は「娘のベビーカー担当」
NEWSポストセブン
アメリカのトランプ大統領と、ベネズエラのマドゥロ大統領(AFP=時事)
《日本への影響も》トランプ政権のベネズエラ攻撃・大統領拘束作戦 中国・ロシアの参戦リスクは 今後の「3つのシナリオ」
NEWSポストセブン
元“ぶりっ子”さとう珠緒の現在の恋愛観は……?
「事実婚じゃダメですか?」「あ、別居婚ならいいのかな」元“ぶりっ子”さとう珠緒(53)が明かす現在の“自分を大切にする恋愛観”とは 
NEWSポストセブン
核保有の是非を“議論”することすら封殺される状況に問題はないのか(時事通信フォト)
《あえて問う「核保有シミュレーション」開発費用と年数》専門家は「日本の潜在的技術能力なら核弾頭開発は可能」と分析 原潜に搭載なら「3兆~5兆円の開発費と年5000億円の維持費」
週刊ポスト
一世を風靡したビートきよしの現在とは
《意識失い2025年に2度の救急搬送》難病で体重22キロ増減のビートきよし、週3回人工透析も…“止められない塩分摂取”「やり残したことなんてない」 
NEWSポストセブン
年末、大谷夫妻はハワイで過ごしていたようだ
《お団子白コーデの真美子さんに合わせたペアルック》大谷翔平の「イジられる」魅力…ハワイではファンに妻と笑顔の対応、後輩も気を遣わない「自信と謙虚さのバランス」
NEWSポストセブン
川島なお美さんを支え続けた、夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(2011年10月)
《また恋をしたいとは思っています》パティシエの鎧塚俊彦氏、妻・川島なお美さんを亡くして自問自答の10年「僕らの選択は正しかったのか…」
NEWSポストセブン
引退する棚橋弘至(右)と、棚橋への思いを語る武藤敬司(左)
《棚橋弘至がついに引退へ》「棚橋も俺みたいにハゲていけばよかったんだよ」武藤敬司が語ったかつての付き人に送る“はなむけの言葉”
NEWSポストセブン
餅つきに現れた司忍組長
《六代目山口組の餅つきに密着》近隣住民も驚いた「6時間の“ヨイショ”の掛け声」…高山清司相談役の登場に警察が驚愕したワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新春合併号発売! 2026年を見通すオールスター14対談ほか
「週刊ポスト」新春合併号発売! 2026年を見通すオールスター14対談ほか
NEWSポストセブン