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腰痛持病 手術回避の硬膜外内視鏡治療で長期効果は60%程度

 椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など腰痛の持病を抱えるサラリーマンは多い。腰痛が軽い場合は、ストレッチなどの運動療法や消炎鎮痛剤で対処する。重症では神経根ブロックなどの保存療法を行なう。

 しかし、これらの保存療法でも十分に効果が得られない場合は、骨などを切除する腰椎手術を行なう。手術は患者の負担が大きい場合もあり、さらに手術をしても痛みが残ることもある。
 
 こうした難治性腰痛や手術を回避したい患者のための治療法として実施されているのが、硬膜外内視鏡(エピドラスコピー)治療だ。
 
 順天堂大学医学部附属病院麻酔科・ペインクリニックの井関雅子・先任准教授の話。

「腰椎手術後に硬膜外の癒着があり、それが痛みの原因になっていることもあります。一般的な腰椎疾患でも硬膜外の癒着によって、硬膜外ブロックが効きにくくなっていることもあります。エピドラスコピーは、こうした患者さんに対する治療の選択肢の一つとして用いられています」

 エピドラスコピーは極細の内視鏡を脊柱管の中に挿入して行なう。患者はうつぶせ状態で、骨盤の中央、背骨の付け根にある仙骨付近の皮膚を1センチ程度切開する。

 この施設で16~86歳の患者40人に実施したところ、1か月後には28人にある程度効果があり、長期効果は60%程度である。

「この治療は効果に個人差があり、すべての方に有効ではありません。強度の脊柱管狭窄症は神経を圧迫する危険性もあり、お勧めできません。適応をしっかり見極めて治療を受けることが大切です」(井関先任准教授)

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2013年3月22日号

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