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国会図書館DL数1位本に「不感性者はおよそ退屈の権化」記述

 電子書籍が普及するデジタル化の時代に、昭和初期の稀覯本がなぜか読みあさられている。国会図書館に眠っていた80年前の発禁本『エロエロ草紙』(酒井潔・著)は思わぬことから話題を呼び、電子書店を通じて配信されるや、並みいる文学作品を抑えてダウンロード数ナンバーワンを獲得。当時のモダンな雰囲気漂う“エロエロ”な記述を大公開する。

 さっそく、『エロエロ草紙』を紐解いてみよう。

 表紙には、好色そうなオヤジが、水パイプを愉しむイラストが描かれている。

 パイプの上では肉感的な美女が艶めかしく身体をくねらせる。男の顔をよく見てみると、入り組んだ3人の豊満な裸女で構成されており、なかなかのビジュアルセンスがうかがえる。さらに見開き扉には鍵穴があって、上着を脱いで全裸になりつつある西洋美女の写真―─。

 ページをめくっていくと、詩を掲げたかと思うと、漫画や彩色絵、写真が満載され、風俗レポートに落語、エッセイ、コラム、コントと、さながら雑誌のようなつくりだ。もちろん、全編にわたって“エロ”のエッセンスがふんだんにまぶされている。

 作者は「自跋」(あとがき)で自信たっぷりにこう書いた。

〈上品なエロと、朗らかなナンセンス、即ちウルトラ生活の二要素を具備するもの、此の書を見て、不感性なる者はおよそ退屈の権化として、怨敵退散である〉

※週刊ポスト2013年4月5日号

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