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【日本株週間見通し】日経平均13000円後も外国人買い継続か

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の4月1日~4月5日の動きを振り返りつつ、4月8日~4月12日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は大幅に上昇。4日の金融政策決定会合での「量的・質的金融緩和」の導入決定が評価され、5日には2008年8月29日以来の13000円を回復した。

 新年度相場入りとなった先週は、週初は海外がイースターで休場だった影響もあって資金流入が細るなか、信託銀系と見られる益出し売りにより、日経平均は大幅な調整をみせた。2日にはこれまでサポートとして機能していた25日線を割り込み、一時11805.78円と約1ヶ月ぶりの安値水準に。しかし、イースター明け後は再び海外勢による資金流入が活発。キプロス問題の沈静化に伴う欧州市場の落ち着きやNYダウの史上最高値更新なども買い安心感につながった。

 そして最大のインパクトとなったのが、黒田東彦総裁の新体制による日銀金融政策決定会合での緩和強化である。12100円を割り込む局面をみせていた日経平均は結果を受けて急動意をみせ、一気に3月21日の年初来高値に接近。そして翌5日も緩和強化を評価した流れが継続する格好となり、年度末に達成出来なかった甘利大臣の発言「日経平均13000円」の「甘利越え」を達成した。

 日銀は2年間で前年比2%の物価上昇率を目指す「量的・質的金融緩和」では、政策目標を金利からマネーの量に切り替え、市場に供給するお金の量を示すマネタリーベースを2年間で倍増させる意向を示した。国債に加え上場投資信託(ETF)などリスク資産も買い増す。

 一方で、財務リスクなど中長期的な副作用への懸念を警戒する声も聞かれ始めている。18~19日に米ワシントンで開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で新興国から日本の超緩和に対する反発も予想される。

 しかし、財務リスクについては物価上昇率が2%に近づく局面で改めて対策が打たれるとみられ、直ぐさま警戒されることはないだろう。G20では黒田総裁の手腕が試されることになろうが、白川体制からの大転換が期待される。日経平均は13000円を達成し、次は1ドル100円を意識した投資スタンスになろう。

 もっとも、日経平均の13000円回復により、いったんは心理的な達成感も出てきそうである。しかし、5日の東証1部の売買高は64億株を超え、過去最大だった2011年3月15日(57億7000万株)を2年1ヶ月ぶりに更新している。今回の黒田新体制を評価した海外勢による買い姿勢は今後も強まるとみられ、下値の堅さは相当意識されそうである。アジアを投資対象とするファンド等は金融引き締めが警戒される中国などから日本に資金をシフトさせることになる。

 また、今週は5日の米雇用統計の結果を受けてのスタートとなる。8日にバーナンキFRB議長の講演が予定されているほか、10日にオバマ大統領が2014年度の予算教書を提出する。そのほか、米アルコアの決算を皮切りに、1~3月期決算発表シーズンを迎える。国内でも業績修正などが出やすい時期であり、物色の流れは次第に企業業績に関心が向かう可能性がある。

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