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「今の少女漫画家はセンスいいが王道を描く人少ない」との指摘

 20年来のつきあいというおふたり。『有閑倶楽部』(集英社)などの漫画家・一条ゆかり(63才)と、マンガ学会理事を務める漫画研究家・藤本由香里(53才)が会った途端、「なかよしよね」「りぼんがね」「少女フレンドはね」「少女コミックがね」と女性セブンの読者にはたまらない、なんとも慣れ親しんだ懐かしワードが止まらない。そんな少女漫画の今昔を、少女漫画界を代表するおふたりにたっぷり聞いちゃいました。

藤本:今の少女漫画家さんって新しい人がかなり出てきてセンスのいい人、目のつけどころのいい人はたくさんいるんです。だけど、王道を描く人ってあまりいない。だから時間を忘れてのめり込めるような王道作品を待望してます。

一条:今まであらゆるジャンルのストーリーが出尽くしているから、自分だけのものを発表するのは難しいよね。あ、でも今、いちばん楽しみに読んでいるのは、かるたの話!

藤本:『ちはやふる』(2007年、末次由紀)ですね。あぁ、『ちはやふる』は王道! あれは少女漫画誌に載っている少年漫画です。キーワードが友情、努力、勝利ですからね。しかも、感情の機微があって、見事です。

一条:しかも、その他大勢の人の人生もしっかり描いていて、えらい!

藤本:あ、そういえば今日はベルサイユのばら(1972年、池田理代子)の話をしませんでしたね。

一条:しまった! 少女漫画不朽の名作を…。(記者に向かって)そういえば、藤本さんの年賀状ね、オスカルの格好した写真入りなの。

藤本:それは出版記念パーティーで仮装したときに…。

一条:その前はクレオパトラだったよ。

藤本:あの写真って、王家の紋章(1976年、細川智栄子あんど芙~みん)に出てくるアイシスでしょ、って言われて。いいえ、あんな悪役じゃありません、クレオパトラです!って周りに一生懸命説明して…(笑い)。

※女性セブン2013年5月9・16日号

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